おすすめの本
みなさんにおすすめの本を紹介していきます。どうぞお楽しみに。
2023年12月1日
スタッフおすすめの本紹介

『オックスフォード&ケンブリッジ大学 世界一「考えさせられる」入試問題「あなたは自分を利口だと思いますか?」』 著者:ジョン・ファードン
訳者:小田島恒志・小田島則子
出版者:河出書房新社
[ スタッフ書評 ] 「あなたは自分を利口だと思いますか?」
「蟻を落とすとどうなりますか?」
「あなたらリンゴをどう説明しますか?」
「コンピューターは良心をもつことができるでしょうか?」
これらの問題はイギリスの名門大学、
オックスフォード大学とケンブリッジ大学で
入試の際に出された口頭試問です。
本書ではこのような問題が60問紹介され、正解が
あるものからないものまで様々です。
もし自分が利口かどうか聞かれたとき「はい」と
答えるか、それとも「いいえ」と答えるか。
「はい」と答えればハードルが上がるかもしれないし、
「いいえ」と答えれば利口な学生を求めている大学に
ふさわしくないと思われるかもしれない。
一応著者が考えた解答例が載ってはいますが、
自分だったらどう答えるかぜひ考えてみてください。
2023年10月24日
スタッフおすすめの本紹介

『1945,鉄原』 著者:イヒョン
イラスト:海島千本
出版者:影書房
[ スタッフ書評 ] ある国のある時代のことを知るには、そこで生きて
いた人たちの想いを知ることが大切だと考えます。
本をそれを助けてくれます。この本もそうでした。
1945年8月15日から話は始まります。日本では
「終戦の日」ですが、この日は朝鮮半島の人々に
とっては「開放の日」でした。朝鮮半島で育った
若者が、この日をどんな想いで迎え、この日から
どのように生活していったのか、正直想像したことが
ありませんでした。
中心となる登場人物は4人、小間使いとして屋敷に
仕えてきた少女、大地主の末っ子でありながら平等な
社会を夢見る少年、身分を失うのが耐え難い両班家
(貴族階級)の少女、奴婢(奴隷階級)出身の少年。
それぞれ育ってきた環境や考えに違いがありますが、
時代の波にもまれながら懸命に生きていく姿には
心を打たれます。
2023年9月27日
スタッフおすすめの本紹介

『生まれてバンザイ』 著者:俵万智
出版者:童話屋
[ スタッフ書評 ] 俵万智さんは今や教科書にも作品が載っている歌人
ですので、作品が頭に思い浮かぶ人もいるでしょう。
『サラダ記念日』で一世を風靡したのが1987年のこと
でした。
この歌集には2003年に出産し子育てする中で生まれた
歌が多く収められています。文庫本サイズで、1ページに
1首、分かち書きで書いてあるので、読みやすく、
親しみやすいです。(もちろん縦書きです。)
「バンザイの姿勢で
眠りいる吾子よ
そうだバンザイ
生まれてバンザイ」
本のタイトルにもなっているこの短歌をたくさんの人
に届けたいと思いました。ほかにも、励まされる、
元気づけられる短歌にたくさん出会えます。
俵万智さんには『俵万智3.11短歌集 あれから』
という歌集もあり、こちらは歌だけでなく、絵も
大変味わい深いです。
2023年8月21日
ティーンズコーナー『おすすめ本』POP紹介(インターンシップ)
[ スタッフから ]
ティーンズコーナーのポップを入替えました。
今回はインターンシップに参加してくれた
高校生の皆さんがそれぞれおすすめ本のポップを
作ってくれました。どれも力作揃いです。
ぜひ読んでみてください!
【紹介された本】
・「赤い本」3-0210049452
・「かがみの孤城」3-0500486360
・「あの夏が飽和する。」3-0500814674
・「眠れる美しい生き物」3-0500747586
2023年8月10日
スタッフおすすめの本紹介

『春夏秋冬代行者 春の舞 上』 著者:暁佳奈
出版者:KADOKAWA/電撃文庫
[ スタッフ書評 ]
はじめ、世界には冬しかなかった。冬はその孤独に
耐えかねて春を創った。二つの季節は永遠と繰り
返されたが、後に大地の願いを聞き入れ、新たに
夏と秋を創った。そして季節は春夏秋冬と巡る
ようになった。
その後、互いを想い合う冬と春のため、秋と夏より
大地に住むものに彼らの役割を任せることが提案
され、季節の力を分け与えられ大地を一年かけて
巡り歩く四季の代行者が生まれた。季節の代行者の
役割は紆余曲折を経て人に任された。
季節に力を分け与えられた代行者が現人神となり
力を行使することで季節が巡る。という不思議な世界。
そこに住む四季の代行者を中心に語られる物語。
物語のはじまりは十年前に誘拐され、帰還した春の
代行者とその従者の旅から紡がれます。彼らの
過去に一体何があったのか。
春、夏、秋、冬それぞれの代行者と彼らを護る従者
との主従関係も魅力的な作品です。
後の作品では朝と夜を司る射手の物語も。頑張る
気力を貰える物語、是非ご一読ください。
2023年7月23日
スタッフおすすめの本紹介

『カザアナ』 著者:森絵都
出版者:朝日新聞出版社
[ スタッフ書評 ]
空には監視ドローンが飛び交い、子どもたちの
家庭教師はAIという近未来の日本が舞台。
閉塞した社会環境に辟易しながらも母と姉、
弟の三人の入谷(いりたに)ファミリーは
タフに食らしています。その入谷ファミリーが
平安時代から続く石や虫など、自然と通じる
ことができる風穴(かざあな)と呼ばれる
不思議な人たちと出会い、事件に巻き込まれて
いきます。
敵はAIを駆使して入谷ファミリーを、そして
日本を窮地に陥れますが、入谷ファミリーには
これといった武器はなく、頼れるのは風穴たちの
時代錯誤の不思議な力のみ。この苦難にどう立ち
向かうのか。閉塞した時代にカザアナをあける
痛快ファンタジーです。
2023年6月28日
スタッフおすすめの本紹介

『エモい古語辞典』 著者:堀越英美
イラスト:海島千本
出版者:朝日新聞出版社
[ スタッフ書評 ]
すばらしいものを見たり聞いたり読んだり
したとき、胸の中に広がったふわふわキラキラ
した想いをだれかに語りたいのに、言い表す
ぴったりな言葉が出てこない。
そんなとき「語彙が死んだ」という表現を
見かけます。
「語彙」とは、その人が持っている言葉の
総量のことです。その語彙が死んでしまう、
つまり、
「自分の持っている言葉では言い表せない
くらいすばらしい」
というような意味ですが、それでは、語彙が
豊富にあればあるほど自分の「推し」に
ついての想いを自由に存分に表現できるの
では?
この本は、そんなふうに考えたある中学生の
願いをきっかけに生まれました。気持ちが強く
動く「エモさ」重視で厳選された1654の古語が
載っています。
いまとちがって写真も動画もネットもなかった
時代、自分が目にした美しい光景やそのときに
感じた思いをそこにはいない別のだれかに
伝えたいと思ったら、言葉を駆使するしか
ありませんでした。
だからこそ、古語には、人やもののさまざまな
様子や感情を表す言葉がたくさんあります。
自分のあふれる想いを絶妙に表現できるように
なったらほかの人の想いも、よりくわしく
正確に受け取れるようになり、世界の解像度が
上がります。
語彙を死なせることなく、むしろ元気にすくすく
育てて、あなたの「推し」の尊さ美しさを広めて
いってください。
2023年5月31日
スタッフおすすめの本紹介

『はるか、ブレーメン』 著者:重松清
出版者:幻冬舎
[ スタッフ書評 ]
亡くなる瞬間に見るという走馬灯。走馬灯に
どのようなシーンを描くのか本人の気持ちと
家族の思いに寄り添いながら作り上げる会社
ブレーメン・ツアーズ。高校2年生の遥香と
同級生のナンユウくんは、ブレーメン・ツアーズの
社員から走馬灯づくりに必要な人の記憶を覗く
ことができる能力を見出され、お手伝いをする
ことになります。
遥香は幼い時に母親に捨てられ祖母と2人
暮らしをしてきましたが、その祖母が亡くなり
ひとりぼっち、そしてナンユウくんは早世した
長男に思いを残す両親に複雑な思いを抱き
暮らしてきました。
家族に対してやりきれない思いを抱いている
高校生2人の目を通して、人生の機微や親子の
在り方が語られていきます。
物語の終盤、苦しみながらも自分の気持ち、
親の気持ちに向き合う2人にブレーメン・ツアーズの
社長は優しい言葉をかけます。
「楽しい思い出が残ってるからつらくなる
ことも、人間にはたくさんある」
「やってしまったことへの後悔や、やらなかった
ことへの後悔は、誰にでもある。それでいい・・・」
「なつかしい人がいて、なつかしい思い出が
あるというのは、とても大切なことだ」
心の深いところにストンと落ちる力のある
言葉は小説の中にあるのだなあ、と思わせます。
ハラハラ散ってしまう桜より、花の色が
くすんでも咲き続ける「あじさい」が好きだと
言っていた遥香の祖母、そして青い「あじさい」が
好きだと言った遥香の母、激しい雨の翌朝にも
変わらず咲いている「あじさい」に見入る
少し成長した遥香。
「あじさい」の花が咲き始めた今が読み時です。
2023年4月20日
スタッフおすすめの本紹介

『片づけたがり 山本さんの愉快な家事手帖3』 著者:山本ふみこ
出版者:(株)オレンジページ
[ スタッフ書評 ]
片づけが苦手です。机の上や部屋の中など、常々
片づけよう、片づけようと思ってはいるのですが、
ながらく散らかったままで…。
どうにかせねばと思っていたとき、タイトルが目に
入ったこの本の、冒頭の言葉に惹かれました。
「残念ながらわたしには、たくさんのものを使い
こなしたり、管理する能力はなかったのです。」
「何よりだめだったのは、しまったものをおぼえて
おくこと。」
思わず、自分のことを言われているようで、そうそう、
そうそうと頷きながら、頁をめくりました。
著者の山本さんは、暮らしや料理の本を多く書かれて
いるエッセイストです。
この本の文章は、10年以上前にインターネット上に
掲載されていた著者のエッセイが元になったもの
ですが、暮らしについての考え方は今でも通じる
もののように感じます。
タイトルにあるように、この本は「片づけ」が
キーワードとなっていますが、「片づけをしよう」
と呼びかけるような内容ではありません。
子どものころは、片づけが「まるきり」できなかった
という山本さん。
「なまけたがり」なので、大片づけではなく、ちょこ
ちょこと日々片づけたいのだということ。
「片づけとは、すべてのモノに行き先を決めることだと、
考えている」ので、山本さんの家の中には「置き場所の
定まっていないモノは、ない。……はずだ……けど……
なあ。」と少し自信なさげなところもあったり。
肩ひじ張らずに書かれた山本さんの暮らしは、片づけ
下手な私でも、親近感を持って読み進めることができ
ました。
そしてその中で書かれる片づけの工夫や、必要のある
モノを愛着を持ってながく使っていくという考え方は、
とても実践的なものです。
片づけのノウハウがしっかりと書いてあるような本は、
なかなか片づけを始めることすらできない私にとっては、
少し怒られているような気もちにもなってしまい、やや
ハードルが高く。
片づけや暮らしに関することがのんびりと書かれたこの
本は、片づけたい、という気持ちを励まされるようで、
よし、真似してみよう!と思える、ちょうどよいもの
でした。
そして後半で紹介される、暦に合わせて作られた料理の
レシピもとても美味しそうなのです。
新年度がはじまり、心機一転、生活を整えようと思われて
いる方に。
特に、中々それを始めることができず、後ろめたく思って
いる、私と同じような方に、ぜひ手に取ってもらえたらと
思います。
「必要なモノ、好きなモノ、納得のいくモノをちょっぴり」
で暮らす。
山本さんの言葉を胸に、まずは机の上のもの達から、
片づけていきたいと思っています。
2023年3月26日
スタッフおすすめの本紹介

『北欧こじらせ日記』 著者:週末北欧部chika
出版者:世界文化ブックス

『北欧こじらせ日記 移住決定編』 著者:週末北欧部chika
出版者:世界文化ブックス
[ スタッフ書評 ]
好きなことを好きでい続けること。
好きなことに関わる仕事に就くこと。
この2つを両立できたら、とても素敵なことだと
思います。 今回紹介する『北欧こじらせ日記』と『北欧
こじらせ日記 海外移住編』の著者である
週末北欧部chikaさんは、北欧のフィンランドが
好きで好きで好きをこじらせ、紆余曲折の結果、
2022年の春からフィンランドで寿司職人として
働いています。
この本では、chikaさんがフィンランドに移住
するまでのこと、chikaさんのフィンランド
おすすめポイントが可愛らしい絵と文章で描かれて
います。
大学時代に初めてフィンランドに訪れ、「ここに
住みたい!」と思ってから、フィンランド好きを
貫き通しているchikaさん。
寿司職人になってフィンランドに移住して働きたいと
思うまで、さまざまな経験をし、さまざまな人と
出会ってきたことが、この本を読むとわかります。
寄り道をしていたように思えていたことも、不安を
理由に一歩を踏み出すことを先延ばしにしてる
のではないかと思えたことも、自分らしく夢に挑戦
するための準備期間で必要不可欠なこと。そんな風に
振り返ることができるchikaさんだからこそ、夢を
実現できたのかもしれません。
そして、何度読んでもフィンランドに行きたくなり、
シナモンロールが食べたくなるので、読む際には
chikaさんのフィンランド愛にご注意ください。
moimoi!
2023年2月15日
スタッフおすすめの本紹介

『キリン解剖記 ジュニア版』 著者:郡司芽久
出版者:ナツメ社
[ スタッフ書評 ]
キリンの首の骨の数は人間の首の骨の数と一緒って
ご存じですか?クジラも猫も哺乳類はみんな「頸椎
(けいつい)」が7個。あの長~い首を持つ動物が、
自分たちの首と一緒の骨の数なんて信じられません
よね。
著者の郡司さんはキリンが大好きで、「キリンに
関わる仕事につきたいな」と思っていたら、なぜか
キリンを解剖し、キリンの8番目の首の骨を発見する
「研究者」になりました。郡司さんはこの本の中で
「好きなことを好きだということの大事さ」と「自分の
力で切り開いていくしかない」気持ちを、キリンを
解剖した記録とともに丁寧に綴っています。
やりたいことや進路に迷っているときに読んでも
いいし、もし、突然キリンの解剖のチャンスが
やってきても安心です。解剖の手順や必要な道具も
ちゃんと説明してくれているから。
2023年1月21日
スタッフおすすめの本紹介

『灰色の女』 著者:A.M.ウィリアムスン
訳:中島賢二
出版者:論創社
[ スタッフ書評 ]
ローン・アベイ館という屋敷に来た主人公・テレンスは、
屋敷の時計塔で謎の美女・コンスエロに出会います。
コンスエロの美しさに惹かれるテレンスは、それから
次々と屋敷の中で起こる奇怪な出来事に巻き込まれて
いく…というミステリーです。
ちなみにここからが面白いお話。
この「灰色の女」を基に平岩涙香という作家が翻案し、
「幽霊塔」という作品を書きました。
すると、ある少年がその「幽霊塔」を読みました。
少年は大人になって「幽霊塔」をリライトし、自らも
「幽霊塔」という作品を書きました。その少年とは、
ミステリー界の巨匠・江戸川乱歩です。
さらに、乱歩の書いた「幽霊塔」を読んだある少年が、
大人になってから「幽霊塔」をモチーフに映画をつくり
ました。その少年とは、アニメーション界の巨匠・宮崎駿
監督で、映画は「カリオストロの城」という作品です。
こうしてみると、子どもの頃に読んだ本が忘れられない
大人たちが、さらに面白い作品を生み出し、幅広い年代の
方に愛されていることがわかります。
すべての原点である「灰色の女」から、さらには涙香の
「幽霊塔」、乱歩の「幽霊塔」、「カリオストロの城」と、
歴史を辿ってみてはいかがでしょうか。
2023年1月9日
ティーンズコーナー 展示入れ替え(市ヶ尾中学校図書委員)
[ スタッフから ]
ティーンズ展示コーナーの掲示が新しくなりました。
市ケ尾中学校図書委員会の皆さんの作品です。
図書委員は30名程在籍し、今回の掲示に携わった
のは5、6名とのことです。1年以上かけて向き
合ったテーマは「木のしおりプロジェクト 木がるに
アクション!」。中学生が考えるSDGsの取組は
私たちの生活にも参考になります。「めぐる木」には
たくさんの具体的な提案が書いてあります。是非
ゆっくりご覧ください。
図書委員のみなさん、ありがとうございました。
2022年12月25日
スタッフおすすめの本紹介

『古今和歌集 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典編』 編集:中島輝賢
出版者:KADOKAWA/角川ソフィア文庫
[ スタッフ書評 ]
入門編として古典作品に気軽に親しむことのできる
「ビギナーズ・クラシックス」シリーズ。今回は
その中から『古今和歌集』を紹介します。
「勅撰集(天皇の命で編纂された詩歌集)」の
ひとつである古今和歌集は、約1100首の和歌が
収録されています。いずれも選りすぐりの歌
ばかり。この本には、さらにその内の約70首が
収録されています。現代語訳と解説つきなので、
「和歌ってなんか難しそう」と思っている方に
おすすめです。
読んでいるだけで情景が浮かぶような歌や、
「あ、この気持ち分かるなぁ」と共感できる歌も
あって、昔も今も人の心や感性はそう変わらない
のかもと感じました。
最後に、私のお気に入りの一首をご紹介します。
「見渡せば 柳桜を こきまぜて 都ぞ春の 錦なりける」
2022年12月24日
ティーンズコーナー 展示入れ替え(山内中学校図書委員)
[ スタッフから ]
12月は山内中学校の図書委員のみなさんが、
ティーンズ展示コーナーの掲示を担当して
くれました。図書委員会の方がたくさん
来てくれましたが、とても手際よく静かに
掲示をしてくれました。今年も本に関する
情報が満載です。「図書委員会の活動
ファイル」や「図書委員会便り」は
見応えのある資料です。
図書委員のみなさん、力作をありがとう
ございました!
2022年12月3日
スタッフおすすめの本紹介

『秘密をもてないわたし』 著者:ペニー・ジョエルソン
訳者:河井直子
出版者:KADOKAWA
[ スタッフ書評 ]
主人公ジェマは重度の脳性マヒの14歳の女の子で、
2歳から里子としてパパとママの所に来ている。
体を自分で動かせないし、思いがあっても
話せなくてもどかしい。毎日の生活は、同じ
里子の9歳のオリビアと6歳のフィンと一緒で
賑やかだ。オリビアは癇癪持ちで問題児だけれど、
自閉症のフィンの拘りに気付いて家族みんなで
心を通わせることもある。
そんなある日、近所で殺人事件が起こる。ジェマの
介護ヘルパーをしているサラの新しい恋人ダンが
怪しい。ダンはジェマと2人だけになると、恐ろしい
ことを言うのだ。ある日、ヘルパーのサラが行方
不明になる。犯人はダンなのか?スリリングな展開
だけでなく、コミュニケーション支援機器(障碍者が
意思疎通を図れる)の可能性の話も見逃せない。
2022年11月18日
ティーンズコーナー『おすすめ本』POP紹介(もえぎ野中学校2年生、図書館実習生)
[ スタッフから ]
ティーンズコーナーのポップを入替えました。
職業体験を行ったもえぎ野中学校の中学2年生の
作品と図書館実習生の作品です。
全部で5冊。中には芥川賞を受賞した作品が
あります。どの本かわかりますか?
【紹介された本】
・「推し燃ゆ」3-0500812823
・「意味が分かると怖い話」3-0500607726
・「かがみの孤城」3-0500486360
・「ぼくとニケ」3-0500640923
・「春期限定いちごタルト事件」3-0204093372
2022年10月25日
スタッフおすすめの本紹介

『現代語訳 学問のすすめ』 著者:福澤諭吉
訳者:斎藤孝
出版者:筑摩書房
[ スタッフ書評 ]
この本は福澤諭吉が明治時代書いた「学問のすすめ」を
現代の私たちでも読みやすいように現代語訳した本に
なります。
福澤諭吉はこの本の中で「天は人の上に人を造らず
人の下に人を造らず」と言い、生まれたときは皆平等だと
言っていますが、そこから先は学問をするかどうかで
人生が決まり、中でも日常生活に役に立つ学問「実学」
(文章の書き方や経済学など)が明治時代の日本人に
どれだけ大切かを書いています。その他にも、一人
ひとりが独立することで国として独立することができる
など、学問以外にも大切ことをたくさん書いています。
訳者の斎藤孝さんの訳がとても読みやすくしているので、
ぜひ読んでみてください。
2022年10月18日
ティーンズコーナー『おすすめ本』POP紹介(桐蔭学園中等教育学校1年生)
[ スタッフから ]
現在、山内図書館ティーンズ展示コーナーでは、桐蔭学園
中等教育学校中学1年生が作成した『今まで読んできた
本の中で「これが一番面白い!」』と感じた本のPOPを
展示中です。こちらは昨年に引き続き2年目の展示です。
気になる本があったら、是非図書館で予約して読んでみて
くださいね。
10月末日まで展示しています。図書館に来たときは見てみて
ください。
【紹介された本】
・『大正浪漫』3-0500906524
・『DIVE!!』上巻3-0206044706 下巻3-0206044707
・『もしも徳川家康が総理大臣になったら』3-0500861902
・『怪盗レッド15』3-0500606745
・『余命10年』3-0500488474
・『52ヘルツのクジラたち』3-0500779636
・『その日の前に』3-0205057783
・『羅生門 外十八篇』3-0197006886
・『読んでいない本について堂々と語る方法』3-0500424293
・『むかしむかしあるところに、死体がありました。』3-0500904896
・『このデザインには理由がある』(図書館におたずねください)
・『ざんねん?はんぱない!からだのなかのびっくり事典』3-0500649251
2022年9月22日
スタッフおすすめの本紹介

『灰色の地平線のかなたに』 著者:ルータ・セペティス
訳者:野沢佳織
出版者:岩波書店
[ スタッフ書評 ]
もし、自分だったら、主人公と同じ立場に置かれた場合
耐えることができるだろうか――。
時は第二次世界大戦下、場所はバルト三国のリトアニア、
豊かに幸せに暮らしていた15歳の少女の生活が、一夜に
して変わってしまいます。ソ連の秘密警察に家に踏み
込まれ、強制的に列車に乗せられ、やがて強制収容所に
送られます。乏しい食事、不衛生な環境、厳しい寒さ、
なによりも死への恐怖――気が狂わんばかりの過酷な
状況に置かれていきます。リトアニアには、こんな歴史が
あったのだということをこの本を読んで知り、また感じる
ことができました。
主人公の名前はリナ、「希望」を常に失わずに、大好きな
絵を描きながら生き抜く様から、大切なものをもらった気が
します。
2022年8月17日
スタッフおすすめの本紹介

『みつばち高校生 富士見高校養蜂部物語』 著者:森山あみ
出版者:リンデン舎
[ スタッフ書評 ]
みなさん!「もしも地球上からハチがいなくなると、
人間は4年以上生きられない」、ご存知でしたか?
さらに、これ、あのアインシュタインが言ってたん
ですって。ご存知でした?
とにかくこの本、ハチの生態が面白いんです。例えば、
女王バチは一生の間(3~4年)一日最大千個の卵を
冬を除いて毎日産み続ける、とか、働きバチは成長に
応じてお仕事が変わるとか。ミツバチ社会はほんとに
よくできています。そしてミツバチはそれぞれの役目を
はたす、黙々と。1匹が一生に集める蜜はわずかに
ティースプーン1杯。なかでも、私が一番面白かった
のは分蜂でした。ミツバチの巣分かれのことです。
「春から夏にかけて、女王蜂は新女王候補となる卵を
産みつけると、働きバチの半分を連れて巣を出ます。」と
書いてあります。この群れが新しい棲み処が見つかる
まで木の枝などに固まって止まって休むらしいのですが、
その塊、?蜂球(ほうきゅう)"が!!これは、ぜひ写真を
ご覧ください。
とは言え、この本は高校生の物語です。一人の女子
高生が養蜂部を立ち上げ、その養蜂部が創部3年という
短期間で「農業高校の甲子園」で日本一になるまでの
ドキュメンタリーです。養蜂部を立ち上げた千春さんは
入学当初はやりたいことが見つかっていない生徒でした。
何も目標や夢がなかった千春さんが、日本ミツバチを
飼おうと決めてハチを手に入れ、周囲の人を巻き込んで、
みんなでどんどんハチにハマっていく様子が描かれて
います。その活動は高校を飛び出して地元の人たちへと
広がっていきます。千春さんの卒業後も、養蜂部は
ミツバチにハマった後輩たちに受け継がれていきます。
部内のギクシャクもあり、進路の悩みもあり。
"好き"って強いですよね。"好き"の持つパワーって
すごいです。10代のみなさんの世界って広いんだなー。
読後さわやかです。
富士見高校の養蜂部のみなさんは、ミツバチのことを
「ミツバチさん」と呼びます。はじめはそのことに違和感を
感じてしまっていたのですが、今は私も、敬意と親しみを
込めて「ミツバチさん」と言ってしまいます。とてもじゃないが、
もう呼び捨てにはできません。みなさんも、ミツバチさんの
世界をのぞいてみませんか?
2022年8月17日
職業体験 ティーンズ本紹介ポップ
[ スタッフから ]
8月3日から5日まで高校生3人が職業体験をしました。
体験のひとつとして、ティーンズ世代に向けておすすめ本の
POPを書いてもらいました。
限られた時間の中で、とても素敵なPOPを作ってくれました。
3冊とも予約の順番待ちがないので、待つことなく読めそう
ですよ。
寝苦しい真夏の夜に、本をお供にゆったりとした時間を
過ごすのはいかがですか。
【紹介された本】
・『くれよんのくろくん』3-0201063548
・『神様』3-0201064345
・『王様に恋した魔女』3-0500421793
2022年7月8日
スタッフおすすめの本紹介

『我、天命を覆す 陰陽師・安倍晴明』 著者:結城光流
出版者:KADOKAWA
[ スタッフ書評 ]
累計500万部を超える「少年陰陽師」シリーズ。
本作は「少年陰陽師」で主人公の祖父として
登場する、安倍晴明の若かりし頃を描くスピンオフ
作品第1弾です。
私にとっては、本編を読んでいくうちにむしろ
こちらを書いて欲しい!と待ち望んでいた作品で、
発売を知った時は非常に嬉しかったのを今でも
よく覚えています。
本作では、今は亡き友人との日常や、将来奥方と
なる女性との出会い。十二神将を使役することに
なった経緯や、使役に下すまでの試練が描かれます。
晴明と友人との掛け合いは面白く、神将との
会話は興味深く読者を飽きさせません。
今は好々爺然としたじいさまが昔はどれだけ
トガっていたか・・とか。十二神将を友と呼ぶように
なるまでの遠い道のりに思いを馳せてみたり。
現在の関係を築くまで、色々なことがあって
今(本編)があるのだし、それを見守っていくのも
また楽しいと感じる作品です。現在5巻まで刊行中。
6巻発売が待ち遠しい!
2022年6月30日
スタッフおすすめの本紹介

『戸村飯店 青春100連発』 著者:瀬尾まいこ
出版者:文藝春秋(文春文庫)
[ スタッフ書評 ]
要領がよいのがトクで、不器用はソン?
大阪の町中華の店、戸村飯店の兄弟。
兄のヘイスケは、要領がよく、しかも男前。
作文が得意で感想文なんかも、本を読まずに
裏表紙のあらすじを読んだだけで、それらしく
まとめてしまえる。それにひきかえ、弟の
コウスケは決して器用ではないがボケが得意で、
店の常連客からも気軽に声を掛けられるという
愛されキャラ。性格の違いから、仲のよい兄弟
とはいえない二人。でも、内心、弟はなんでも
さらっとできてしまう兄のことを、兄も兄で
店の常連から気安く声を掛けられる弟のことを
うらやましく思っていた。兄の専門学校への
進学により、東京と大阪で離れて暮らすことに
なった二人は、自分を見つめ直すことに。
要領がよいのがトクで、不器用はソンか?結局は
自分らしく生きるのがいちばんと気づかせて
くれます。大阪弁サクレツの痛快小説です。
2022年5月26日
スタッフおすすめの本紹介

『カレーライスを一から作る』 著者:前田亜紀
出版者:ポプラ社
[ スタッフ書評 ]
カレーライスを食べたことはありますか?
大多数の人が「ある」と答えると思います。
カレーライスを作ったことはありますか?
こちらも、わりとたくさんの人が「ある」と答える
でしょう。
では、そのカレーライスの材料、どうやって手に
入れましたか?
大半の人にとって「カレーライスを作る」といったら
スーパーやお店で材料を買ってくるところから始まり
ますが、この本でのスタートは、そこではありません。
武蔵野美術大学の関野吉晴ゼミの大学生たちは、
カレーライスを「一から」作ることに挑戦します。
お米や野菜、スパイスは種や苗を植えるところから。
お肉は、鳥のヒナを育てるところから。
塩も、器もスプーンも、すべて自分の手で作らなくては
いけません。
何しろ「一から」ですから。
作り始めてから完成までにかかった時間はなんと9か月。
一から作ったカレーライス、いったいどんな味がしたの
でしょうね。
(ちゃんと、感想も書いてあります)
2022年4月26日
スタッフおすすめの本紹介

『バスカヴィル家の犬』 著者:コナン・ドイル
訳:駒月雅子
出版者:KADOKAWA(角川文庫)
[ スタッフ書評 ]
海外の推理小説が読みたいけれど、翻訳本は苦手だな、と
感じる人は意外と多いのではないでしょうか。そんな方に
おすすめしたいのがKADOKAWAから出版されている
「バスカヴィル家の犬」です。
新訳でとても読みやすく、翻訳本独特のつっかかるような
違和感がなく、スラスラと読み進められます。
小説の内容は、謎の魔犬に呪われているという一族の館で、
主人が奇妙な死をとげます。いまわしい伝説は本当だった
のか?それとも殺人事件か?名探偵シャーロック・ホームズが
ワトソンとともに恐るべき事件に立ち向かう傑作ミステリー
です。魔犬、底なし沼、舞台であるダートムアの荒涼とした
地形、おどろおどろしい描写もありドキドキしますが(特に
底なし沼!)、前半から敷かれた伏線が後半でどんどん回収
されていく物語の進行は爽快です。
思っていた以上に、シャーロック・ホームズとワトソンの
勇姿に感銘を受けたので、「緋色の研究」「四つの署名」も
読んでみようと思っています。「75種類の香水をかぎ分け
られる」と豪語する名探偵シャーロック・ホームズの活躍が
気になりますからね。
2022年4月5日
スタッフおすすめの本紹介

『きれいな色とことば』 著者:おーなり 由子
出版社:講談社
[ スタッフ書評 ]
かなしい気持ちや、つらい気持ち、もやもやと暗い
気持ちになってしまったとき、そんな自分が嫌に
なったり、出口が見えないような気持ちになったり
します。けれど「心はいろんな色にのびたり、
ちぢんだり、毎日毎日うまれかわる」と、おーなり
由子さんは言います。
この本は、絵本作家でもあるおーなり由子さんの
「色」をテーマとしたエッセイ集です。日常や思い出の
中の、「色」に纏わる出来事や思いが、詩のような
優しい文章と、やわらかなタッチの絵で綴られて
います。1編は2ページから7ページ程度の長さで、
35編が収められています。それぞれの編には1、
2ページの挿絵が添えられており、本文に少し厚みの
ある紙が使われていることや、優しい言葉が使われた
文章であることも相まって、絵本や詩集のような印象
です。色とりどりの挿絵や装丁も、じっと眺めて楽しみ
たくなるようなつくりになっています。
大きな事件や、物語のような出来事は登場しません。
おーなりさんが経験した、何気ない日常の中での
気持ちが、絵本や詩集のような形で書かれています。
おーなりさんが見つける気持ちは、斬新なものでも、
ひどく刺激的なものでもありませんが、誰の日常にも
寄り添ってくれるような、共感できるもののように
思えます。例えば、「青いたからもの」という章の一編、
「空の絵」では、天気予報の話が書かれています。
おーなりさんは、天気予報が好きで、天気図をよく
見るのだそうです。そうして、天気図を見ながら、
「自分の中の天気」について思います。
「絶望的な雨の日に、ひかる晴れ間を信じることは
むずかしい。」「でも、事実、宇宙から見た天気図の
雲にはきれ目があって、晴れ間が待ちかまえている。
(中略)信じようが信じまいが、ほんとうに、ほんとうに
いつも太陽はやってくる。」
がっくりと落ち込んでしまったとき、おーなりさんはこの
天気図を思い出すのだそうです。天気図のように、「遠く
から私を眺めれば、私はすきまだらけだ。悲しみだけで、
できているのではない。雲のきれ間をもっている。」
だから、けろりと忘れて笑ってる自分は、すぐにやって
くる、と言います。
おーなりさんの優しい視点から書かれる日常の中の
気持ちは、読者にとっても当たり前のことのようで、
けれど見過ごしがちだったり、丁寧に扱うことを
わすれてしまいがちだったりするものであるように
感じます。おーなりさんの素朴な、詩のような言葉で
書かれたそれらは、そっと肩の力を抜いてくれるような
気がします。
冒頭で引用した部分は、次のように続きます。
「知ってても、知らなくても、心はいろんな色にのびたり、
ちぢんだり、毎日毎日うまれかわる。だから、今日、
すきな色になってるといいな、と思う。」
深呼吸をしたときのように、自分の気持ちや周りの
景色の見え方を、少しだけ変えてくれる、お守りの
ような本です。なんだか気持ちがつかれてしまった
とき、なんで自分はこんな気持ちなんだろうと思った
とき、ぜひお手に取ってみてください。
2022年3月11日
ティーンズコーナー 展示入れ替え(市ヶ尾中学校図書委員)
[ スタッフから ]
ティーンズ展示コーナーの掲示が変更されました。
今回は市ヶ尾中学校図書委員の皆さんの作品です。
テーマは「SDGs」。社会問題にもなっている
SDGsの調査結果と実施報告です。特に食に
関する本の紹介や日本の食品ロスについての情報が
満載です。日本の食品ロスは食糧生産量の1/3
だそうです。少しずつでも意識して生活しないと
いけないですね。
2022年2月22日
スタッフおすすめの本紹介

『エベレスト・ファイル シェルパたちの山』 著者:マット・ディキンソン
訳:原田勝
出版社:小学館
[ スタッフ書評 ]
石塚真一の漫画『岳』を読んだのをきっかけに登山に
興味を持って、類書本を探していたとき知り合いに
紹介されて手に取って読んだ本です。
タイトルに「エベレスト」「シェルパ」とあり、「世界一
高い山だよな~、シェルパって何だろう?」と思ったので
調べました。
シェルパとは、ネパールのエベレスト南麓(なんろく)に
暮らす、チベット系ネパール民族の名称ですが、現在は
高地登山を助ける人たちの職業名にもなっています。
ヒマラヤ山脈で荷物運びをする人はポーター、案内を
する人をガイドといいます。(『日本百科全書』、
『ブリタニカ国際大百科事典』参照)
「ふ~ん、エベレスト登頂はシェルパという職業の人の
助けが必要なのか~」と軽い気持ちで読んだら、思って
いた以上の冒険物語でした。
主人公(18歳)はシュリーヤ(16、17歳ぐらい?)という
少女と出会います。シュリーヤの婚約者でシェルパ族の
青年カミ(16歳)がエベレスト登頂隊に参加したまま
帰って来ない、探して欲しいと頼まれます。苦労の末、
主人公はカミと出会うことができました。しかし、カミは
最新の医療用ベッドに寝ており首から下がマヒしている
状態でした。
カミがエベレスト登頂隊に参加した理由、どうして事故に
あってしまったのか。カミが語るエベレストの自然は崇光で
美しい反面、容赦のない厳しさも強く感じられます。また、
登山隊チームそれぞれの立場を考えさせられる人間模様
なども味わえる作品だと思います。
2022年2月2日
ティーンズコーナー 展示入れ替え(あざみ野中学校図書委員)
[ スタッフから ]
ティーンズ展示コーナーが変更されました。
今回はあざみ野中学校図書委員の皆様の作品です。
おすすめ本の表紙のコピーの下には、熱い思いを
書いた手作りの帯が貼ってあります。
紹介されている本は38冊。短い言葉の中に情報が
たくさん入った帯。中学生が工夫を凝らして
書いた帯。読み応えがありますので是非お立ちより
ください。そして、気になる本があったら読んで
みてくださいね。
2022年1月29日
スタッフおすすめの本紹介

『つながる短歌100 人々が心を燃やして詠んだ三十一文字』 著者:あんの秀子
出版社:朝日新聞出版
[ スタッフ書評 ]
みなさんは、本を選ぶときのポイントはありますか?
書いた人、書き出しやあとがきを確認する人もいる
かと思います。
自分は、本の装丁やデザインをポイントにして選ぶ
ことが少なくありません。今回紹介する本も、装丁や
デザインで選んだ本のひとつです。
俳句か短歌で手に取りやすそうな本を探している時に、
表紙の涅槃ライオン(ポーズから涅槃仏が思い出された
ので、勝手にそう呼んでいます)に呼ばれて選びました。
中を見てみると、教科書で習う『万葉集』や『古今
和歌集』などの古代や平安時代の歌だけではなく、
現代の歌も含めて百首選ばれていて、選ばれた歌が
さらにテーマごとに二首もしくは三首ずつ見開きで
掲載されていました。
テーマごと、二、三首ごとに分かれているので、
初めから順番に読まなくてもよく、その日の気分に
合わせて読むことも、たまたま開いたところから読む
こともできる本です。
歌の紹介ページだけではなく解説ページもあるので、
紹介されている歌の共通点や詠まれた背景を知ることも
できます。解説を読んだ後に歌に戻って、歌と歌を
比べてみると違う魅力が見つかったりします。
加えて、各ページにはテーマに合わせたかわいい
イラストが描かれています。短歌を楽しむサポートも
してくれていますが、イラストを眺めるだけ、という
楽しみ方もできます。
ぜひ「三十一文字」の世界をさまざまな角度から楽しんで
みてください。
2021年12月23日
スタッフおすすめの本紹介

『少年口伝隊一九四五』 著者:井上ひさし
出版社:講談社
[ スタッフ書評 ]
口伝(くでん)…師から弟子に直接口頭で伝え授ける
こと。くちづたえ。
(新明解国語辞典第七版より)
昭和二十年八月六日。広島に原爆が投下されました。
昭和二十年と聞くと、はるか昔のことのように感じる
かもしれませんが、みなさんが思うほど昔のお話し
でもないのです。
普段、災害や事故が起きると、テレビやインターネットや
新聞で状況を知る人が多いと思いますが、広島に原爆が
落ちた時はどうだったのでしょうか。
インターネットはありません。
ラジオも原爆で焼けてありません。
毎日発行される新聞はというと、新聞をつくる機械が
爆撃で吹き飛ばされてしまいました。これではもう、
新聞をつくることも出来ません。
人々は、情報を得る手段を失ってしまったのです。
大変な状況にありながら、自分の置かれている現状が
わからないというのは、とても怖くて不安です。
そんなとき、身近な状況や必要な情報を口で伝えて歩く
"口伝隊"が、報道を届けることになったのです。郊外に
ある新聞社から届いた原稿を、メガホン片手に読み上げる
のです。
これが、口伝隊のやったことでした。
みなさんは、口伝隊を知っていましたか?私はこの作品を
手に取るまで知りませんでした。たぶん、私たちの知らない
ことが、戦争ではもっともっとあったのでしょう。
作者の井上ひさしさんは、戦争がいかに不幸しか残さない
かを書いてきた方です。
本著にも、残酷な描写が出てきますが、目をそらさずに
読んで欲しいと思います。これが昭和の日本で実際に
起こった出来事です。時代が変わっても、私たちは決して
戦争を忘れてはいけないのです
2021年12月9日
ティーンズコーナー 展示入れ替え(山内中学校図書委員)
[ スタッフから ]
ティーンズ展示コーナーが変更されました。
新たな掲示をしてくれたのは、青葉区にある山内中学校の
図書委員のみなさん。写真の通り、沢山の本が紹介されて
いて、数えきれないぐらいです。
さらに、自分たちで製本した本も紹介してくれました。
「くちばし製本」「織継ぎ本」「パタパタからくり製本」。
なかなか製本まで興味はいかないもの。本当に本が好き
なのですね。
ティーンズ展示コーナー、是非お立ち寄りください。
2021年11月20日
スタッフおすすめの本紹介

『私でもスパイスカレー作れました!』 著者:印度カリー子
漫画:こいしゆうか
出版社:サンクチュアリ出版
[ スタッフ書評 ]
最近巷で話題の「スパイスカレー」をご存じですか?
クミンやターメリックなどのスパイスを使った本格的な
インド式カレーのことです。
今月のおすすめ本は、そんなスパイスカレーが家でも
作れるいわば「ビギナー向けの入門書」。スパイス料理
研究家の印度カリー子さんとイラストレーターのこいし
ゆうかさんの共著で、カリー子さん考案のレシピが可愛い
タッチの漫画で紹介されています。
「スパイスカレーってむずかしそう…」
「料理って苦手なんだよね」
そんな方でも大丈夫!手順がとても分かりやすいので、
初心者の方でもすぐに始められます。カリー子さんの
ほとばしるスパイス愛や、料理が得意ではなかった
こいしさんがスパイスカレー沼にハマっていくのも
見どころ(?)です。
おうち時間の新しいお供にぜひ読んでみてください。
きっとカレーが作りたくなるはず!
2021年11月5日
スタッフおすすめの本紹介

『生きづらい明治社会 不安と競争の時代』 著者:松沢裕作
出版社:岩波書店(岩波ジュニア新書)
[ スタッフ書評 ]
「頑張れば必ず成功する。成功しないのは努力が
足りないからだ」という考えを、私たちの周りでも
見聞きしませんか?実はこういう考えは、江戸時代
後半から始まり、明治になって更に広まったと
いうのです。知りませんでした!その日暮らしの貧しい
人たちへの目が厳しかったのは、そういう考えが社会
全体に広まっていたからでした。これは、現代社会
にも共通すると思いませんか?「不安を受け止める
仕組みがない」ことが明治時代と現代の共通点では
ないかと著者は言います。急に明治時代が身近になる
本です。
2021年10月5日
スタッフおすすめの本紹介

『三酔人経綸問答』 著者:中江兆民
訳:鶴ヶ谷真一
出版社:光文社古典新訳文庫
[ スタッフ書評 ]
登場人物は、洋学紳士、豪傑君、南海先生の3人。
3人はお酒を飲みながらこれからの日本について
語り合います。
洋学紳士と豪傑君2人の考え方はそれぞれ異なり、
洋学紳士は自由・平等・博愛による平和主義者。
豪傑君は軍備を増強し国を強くする帝国主義者。
2人の意見を聞いた南海先生が最後に出す答えとは。
著者は「東洋のルソー」と言われた中江兆民で
明治時代の政治思想家です。この本は1887年に
書かれたもので、100年以上経った現在でも議論に
なる内容がたくさん書かれています。
2021年9月20日
図書館実習生おすすめの本紹介

『英語で読む百人一首』 著者:ピーター・J・マクミラン
出版社:文藝春秋
[ 書評 ]
現在からおよそ800年前に編まれた小倉百人一首。
みなさんも国語の授業やかるた大会で目にしたことが
あるのではないでしょうか。
アイルランド生まれの日本文学研究者による本書は、
百人一首の「英訳版」です。
それぞれの和歌のレトリックを反映しつつ、英語の
詩としても美しい調べになっています。
見開きの右側に書かれた和歌と、左側の英語の詩とを
見比べながら、百人一首の奥深さを改めて知ることが
できるでしょう。
著者によるあとがきも読みごたえ十分です。
およそ50ページにわたって、古典世界への憧れや
和歌への愛着が綴られています。
翻訳という、時代や地域の橋渡しをする営みについて
思いを巡らせてもらえたらと思います。
2021年9月10日
ティーンズコーナー『おすすめ本』POP紹介(桐蔭学園中等教育学校1年生)
[ スタッフから ]
まだ暑い8月末、桐蔭学園中等教育学校の学校司書の先生、
教員の方が来館され、ティーンズ展示コーナーに16枚の
POPを展示してくれました。中学1年生が『今まで読んで
きた本の中で「これが一番面白い!」』と思った本が紹介
されています。
手書き風のPOPもパソコンで作ったそうです。グラフィカルな
表現も見ていて楽しいですよ。
★紹介された本
・『ぼくらの七日間戦争』3-0500172679
・『HELLO WORLD』3-0500700156
・『冷たい校舎の時は止まる』上 3-0207058013
・『13歳から分かる!7つの習慣』3-0500792543
・『推し、燃ゆ』3-0500812823
・『死を見る僕と、明日死ぬ君の事件録』3-0500541924
・『世界一クラブ』3-0500522035
・『青い鳥文庫ができるまで』3-0212055334
・『あと少し、もう少し』3-0500256049
・『リカ』3-0203074497
・『交換ウソ日記』3-0500516115
・『僕が恋した、一瞬をきらめく君に。』3-0500848734
・『かがみの孤城』3-0500486360
・『14歳の水平線』3-0500289300
・『5分後に意外な結末ex エメラルドに輝く風景』3-0500609712
・『FC6年1組』(ご予約は図書館までお問合せ下さい)
2021年8月31日
スタッフおすすめの本紹介

『ラスト・フレンズ』 著者:ヤスミン・ラーマン
出版社:静山社
[ スタッフ書評 ]
主人公は、3人の16歳女子。それぞれに人に言えない
悩みを抱え(ちなみに原タイトルは"All the Things
We Never Said")、自殺を考えていました。3人は
自殺のマッチングアプリで知り合います。
この本がおもしろいのは、①3人が何に悩んでいるのか、
読んでいるうちにだんだんわかってくるところ、②3人は
本当に自殺を決行してしまうのか、最後までドキドキする
ところ、③自殺サイトの目的は、途中からミステリじみて
くるところ――なのですが、一番の読みどころは、3人に
救いがあるのかハラハラするところだと思います。3人の
共感はやがて友情となり、強い結びつきを得ていきます。
テーマが重いのですが、読んでよかったと思わせる1冊
です。
2021年8月17日
2021年度 インターンシップ ティーンズ本紹介ポップ
[ スタッフから ]
8月3日から5日まで、市内の高校生4人が山内図書館で
職場体験をしました。
体験のひとつとして、ティーンズ世代におすすめする本の
POPを書いてもらいました。
本が大好きな4人の4冊の本。
それぞれ工夫を凝らし、丁寧に仕上げてくれました。熱い
気持ちが伝わって来ますね。
外出が難しい夏です。8月後半はおうちでゆっくり「読書の
夏」にしてみませんか。
★紹介された本たち
・『ペンギン・ハイウェイ』(3-0212085526)
・『都会(まち)のトム&ソーヤ』(3-0212066631)
・『らくだい魔女はプリンセス』(3-0206071337)
・『ソードアート・オンラインプログレッシブ 001』(3-0212073385)
2021年7月26日
スタッフおすすめの本紹介

『拝啓パンクスノットデッドさま』 著者:石川宏千花
出版社:くもん出版
[ スタッフ書評 ]
私の中で、「パンク」家族の影響で聞くことはあっても、
なかなか耳にしないという音楽のジャンルではありますが、
この本を見て、この曲どんなのかな、出てくる音楽グループって
どんな歌をうたっているのだろうと興味をひきました。
お話の主人公は、高校1年生の晴己。家族構成は、
小さい頃から父親は不在、母親もほとんど帰って
来ないため、中学2年生の弟、右哉とほぼ2人暮らし。
母親の古くからの知り合いに助けてもらいながら、
2つのアルバイトをかけもちして、学校に通っている
という少年です。
小さい頃から、パンクを聞いて育った2人は、その
音楽がある生活が当たり前。パンクバンドをやりたいと
思っている弟に頼まれてメンバーを探しています。
学校で園芸委員をやっている彼は、同級生からバイトで
出られない園芸会のかわりに、イベントのステージに立つ
ことを投げかけられます。ボーカルは弟、自分はベース、
あとギターとドラムを探せばパンクバンドができるという、
短期でできて頼まれたこと、晴己はやってみることにします。
母親が帰ってこなくて自分ばかりにふりかかる、いろいろな
むなしさ、さびしさもあり、あきらめることも多いですが、
見守ってくれる大人がいて、自分ばっかりとくさることもなく、
弟と2人の生活を送り続ける(もちろん余裕があるわけでは
ない)。そんな姿にもひかれてしまいます。
大切なものは人それぞれ。彼にもそれがあってよかったと
思いました。
2021年6月29日
スタッフおすすめの本紹介

『海の島 ステフィとネッリの物語』 著者:アニカ・トール
訳:菱木晃子
出版社:新宿書房
[ スタッフ書評 ]
オーストリア首都ウィーンには、「スウェーデン公園」
という美しい公園があります。第二次世界大戦下、
ウィーンに住む500人のユダヤ人の子どもたちを受け
入れたスウェーデンに、感謝をこめて戦後作られた公園と
知りました。この本の主人公は、まさに疎開を余儀なく
された12歳のステフィと8歳のネッリ姉妹の疎開先
での一年の物語なのです。
スウェーデン第2の都市イェーテボリの沖合の小さな
海の島にたどり着きますが、妹のネッリは年下の子どもが
いるアルマの家に、ステフィは、子どものいない漁師の
エヴェルトとマルタ夫婦に、別々に引き取られます。
都会の何不自由ない暮らしから一変、ステフィはマルタの
家事を手伝いながら、学業に励みます。ユダヤ人に対する
偏見やいじめに悩まされるのですが、ステフィの支えと
なったのは、ナチスの弾圧下にある父から送られてくる愛情
あふれる手紙と、貧しくも誠実にステフィの理解者となって
いくエヴェルトとマルタでした。妹の親代わりを任され、
両親の安否に一喜一憂し心痛めることの多い日々の中でも、
ステフィは、美しい自然や新しい人々との出会いを存分に
楽しみます。
ステフィのたくましく瑞々しい感性に深く惹きつけられ、
忘れがたい一冊です。里親のエヴェルトとマルタの家が、彼女の
心の拠りどころとなり、そこからイェーテボリの中学への進学が
決まるところで終わるのですが、実はこれは4部作の1作目。
まだまだ、ステフィとネッリの波乱に満ちた物語は続きます。
2作目の『睡蓮の池』、3作目の『海の深み』、そして4作目
『大海の光』もぜひご堪能ください。
2021年5月14日
スタッフおすすめの本紹介

『サウスバウンド』 著者:奥田英朗
出版社:講談社
[ スタッフ書評 ]
10年以上前に読んだのですが、また手に
とってみました。やっぱり、面白い!
主人公、上原二郎 小学6年生。父と母、
社会人の姉と3年生の妹と中野区に住んで
いる、いたって普通の、どこにでもいる
小学6年生。
父が、ちょっとまあ、普通じゃないのです。
フリーライター、自称作家、上原一郎
(父親が一郎で子どもが二郎)。のっけから、
この父親が、年金の徴収に来た区役所職員の
女性とお互い激しく論戦するところから始まり
ます。「年金など払わん!」「国民の義務
です。」「じゃ、国民やめた!もともと望んで
国民になったわけじゃない」と、こんな感じ。
元過激派とやらで(過激派って何?って思う
でしょう?二郎も友達とネットで調べたりして
ます。)、国が嫌い。二郎にも「学校など行か
なくていい」と言います。二郎本人は、そんな中、
喫茶店をやっている母にかわって、夕飯の味噌汁
を作るような、かいがいしい子どもで、友達も
いて学校も大好きなのです。
そんな二郎が、公園で友達と遊んでいたところ、
バスケットボールを人質に取られ、金持って来たら
返してやる、と中学生にいちゃもんつけられて問題
勃発。二郎は、いたって普通の小学生ですから、
まずびびりまくります。でも、父に相談したりは
しません。身長185センチの大男の父は強そうでは
ありますが、二郎のなかでは父が一番面倒な人
なんですから。それでも、ここから、父の、元過激派
という経歴(それも警察も恐れる「伝説の闘士」
らしい)にも巻き込まれて…。大事(おおごと)に
なってしまいまして、その結果、上原一家は、南の島に
移住することにまでなっちゃうのです。そこでは一郎が
元過激派の本領発揮です、大騒動を引き起こします。
けっこうな大作ですが、二郎がカツ(どうしようも
ない不良中学生)と対決する前半と、一家で西表島に
引っ越してから父が大騒動を巻き起こす後半とに大きく
分かれてます。
小学生が主人公だといって侮れません。自分もすっかり
二郎になって読んでしまいます。
発売されたのは2005年。2006年の本屋大賞第2位でした。
ちなみに1位はリリー・フランキーの『東京タワー
~オカンとボクと、時々、オトン~』でした。豊川悦司
主演で映画化もされています。映画は見ていませんが、
ぜひ、本でお読みください。
2021年4月3日
スタッフおすすめの本紹介

『おこぼれ姫と円卓の騎士』 著者:石田リンネ
イラスト:起家一子
出版社:KADOKAWA/ビーズログ文庫
[ スタッフ書評 ]
初めて読む作家さんの本はイラストを見て
購入するか決める私。
かっこよくて可愛い主人公が好きな人に
おすすめの本!
ソルヴェール国の第一王女・レティーツィアは、
現国王の第三子。
彼女の上には優秀すぎる異母兄王子が二人。
しかし彼女は将来自分が「女王になる」ことを
知っていた!
十七歳の誕生日に王女として王位を継ぐ
ように伝えられたレティーツィアは、自分の
国王即位式までに十二人の円卓の騎士
(ナイツオブラウンド)を揃えるため、動き
出します。
優秀な人材はすでに二人の兄のどちらかに
仕えていて、騎士として優秀な人材が少ない中、
ナイツオブラウンドの要となる第1席として
彼女が目をつけた人物とは??
高飛車な発言が良く似合う、美人で素敵な
主人公。
でも彼女にだって悩みはあって、それでも
負けずに前向きにできる努力は惜しまない!!
そんな彼女が女王になるまでの物語。
兄弟との関係や個性的なナイツオブラウンド
にも注目です!
すでに完結済の作品なので最後まで一気に
お楽しみください。
2021年2月18日
スタッフおすすめの本紹介

『聊斎志異(りょうさいしい)』 著者:蒲松齢
編訳:立間祥介
挿絵:蔡皋
叢書名:岩波少年文庫
出版社:岩波書店
刊行年:2000年6月
[ スタッフ書評 ]
不思議なお話を集めた中国の短編集です。
中国の清の時代に書かれました。
作者は蒲松齢(ほしょうれい/1640~1715)という人で、
官吏を目指していたそうですが、試験に合格せず、
生涯、塾の先生をして暮らしたそうです。
登場するのは幽霊や仙人、植物の精など、
怪異なものものばかり。
これら異界のものたちと人間のお話です。
恐ろしさに震えたり、怪異なもののけたちの
義理堅さにほろりとさせられたり、
ユーモラスなお話があったりと飽きさせません。
全編は494編あるそうですが、この本には31編が
おさめられています。
いずれも短いお話なので、すぐ読めます。
2021年1月28日
スタッフおすすめの本紹介

『わたしの全てのわたしたち』 著者:サラ・クロッサン
訳:最果タヒ、金原瑞人
出版社:ハーパー・コリンズ・ジャパン
[ スタッフ書評 ]
勇敢で誰に対しても言いたいことが言えるティッピ。
賢くて思慮深く、少し臆病なグレース。
ヒッチコック映画に登場する美人女優の名をもらった
ふたりは、とても綺麗で魅力的な双子の姉妹です。
ある事情によって、子どもの頃から学校へは通わずに
家で教育を受けてきましたが、父親が失業したことを
きっかけにその生活を続けられなくなり、学校へ通う
ことになります。
突然、高校2年生からはじまる学校生活。
友だちとおしゃべりしたり、好きな人ができたり…
それをグレースの視点から描いた物語、と聞いたら
「よくある青春もの」と思う人もいるでしょう。
でも、彼女たちはどこにでもいる「普通」の女の子では
ありません。
「坐骨結合体双生児」といって、頭や腕、心臓などは
ふたり分ありますが、腸の途中から下は、ひとり分しか
機能していません。
ひとつの身体を共有して生まれてきたふたりは、定期的に
病院へ通わなくてはならず、おたがい支え合わなければ
歩くこともできません。
子どもの頃から、このままでは長く生きられないと
言われてきました。
ほとんどの人は彼女たちに露骨に同情や嫌悪の視線を
向けてくるし、ときには、ひどい言葉をぶつけられる
こともあります。通い始めた学校でもそれは同じで、
限られた友だち以外は、ふたりにできるだけ関わらないよう
距離を取ろうとします。
それがグレースとティッピにとっての「普通」の日々です。
自分たちの「普通」は「普通」ではない。
そのことを理解しているグレースですが、ティッピといつも
いっしょにいられるいまがとても幸せで、いつまでもこのままで
ふたりでいたいと願っています。
一方で、恋をした男の子とふたりきりになってみたい、
ティッピに気兼ねすることなく自由に歩き回ってみたい、
と考えることもあります。
どちらもグレースの本当の気持ちで、新しい環境でさまざまな
思いにゆらぐ心が、短い文章と詩で綴られていきます。
日本語訳は、翻訳家の金原瑞人さんが訳したものを、詩人の
最果タヒさんが詩としてつくり直すかたちで生まれました。
グレースとは境遇がまったくちがっていても
「自分もこういう感覚を知っている」と感じるのは、人の心を
そのまま映す詩という形だからかもしれません。
「自分って何だろう」
「普通ってどういうことだろう」
そう考えたとき手に取ってもらいたい一冊です。
2021年1月18日
2020年度 ティーンズ本紹介ポップ
[ スタッフから ]
現在、山内図書館では職業体験に来てくれた麻生養護学校の
生徒さんが作ってくれたおすすめ本のポップを展示しています。
ぜひ読んでみてください。
2020年12月16日
2020年度 山内中学校展示入れ替え、職業体験 ティーンズ本紹介ポップ
[ スタッフから ]
現在、山内図書館では職業体験に来てくれたあおば支援学校の
生徒さんが作ってくれたおすすめ本のポップと、山内中学校の
図書委員会の活動報告を展示しています。
おすすめ本のポップは生徒さんおひとりおひとりの個性が出ていて、
展示も写真や手作りの飾りを活用していてとてもよくできています。
おすすめ本の紹介もたくさん展示してあるので、興味がある方は
ぜひ読んでみてください。
たくさんの本を紹介してくれたので、ぜひ読んでみてください。
2020年11月26日
スタッフおすすめの本紹介

『月刊Piano』 出版社:ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス
[ スタッフ書評 ]
今回は、横浜市で所蔵している雑誌を紹介します。
雑誌は、現在進行形で話題になっている情報を、タイムラグなく入手
できるのが良いところ。
山内図書館では、ティーンズの皆さん向けに、「nicola」を
所蔵しています。「すべての中学生をかわいくする? NO.1ティーン
雑誌」です。おしゃれやお洋服に興味のある方はぜひ手に取ってみて
ください。こちらは児童コーナーの雑誌の棚にあります。
他にも、アニメ好きなら「アニメージュ」、映画好きなら「キネマ旬報」
「スクリーン」、テニス好きなら「スマッシュ」などなどタイトル数も
豊富です。
中でもおすすめは、中央図書館で所蔵している「月刊Piano」。
巷で話題の歌や曲の楽譜が載っています。試験勉強の合間にポロン
ポロンと弾いて、気分転換してみてはどうでしょう。2020年11月号には
「紅蓮華」が、12月号には「炎」「感電」の楽譜が掲載されています。
最新刊は貸出ができませんが、雑誌はバックナンバーになったところで、
予約、貸出もできます。いつから予約ができるのか、正確な日にちは
横浜市図書館のホームページでログインして蔵書検索で雑誌を特定
するとわかります。
じっくりと本を読む時間や体力がないときは、気軽に読める雑誌も
おすすめです。
2020年10月27日
スタッフおすすめの本紹介

『ローラのすてきな耳』 著者:エルフィ・ネイセ
絵:エリーネ・ファンリンデハウゼ
訳:久保谷洋
出版社:朝日学生新聞社
[ スタッフ書評 ]
昨年度、山内図書館のティーンズコーナーの隣に「りんごの棚」という
コーナーが新しくできました。「りんごの棚」の由来は、スウェーデンの
公立図書館が始めた、特別なニーズのある子どもたちのために作られた
コーナーです。山内図書館では、だれでも読書が楽しめるよう、大きな
活字の本やさわって読む点字の本、LLブック、障害を理解する本などを
「りんごの棚」に集めています。
今回は、「りんごの棚」に集められた本の中から、『ローラのすてきな耳』
という絵本を紹介します。
ローラは、耳がよく聞こえません。だから、友だちの話を聞き返したり、
車が近づいていることに気づかず、クラクションを鳴らされてしまう
ことがあります。ローラは、「これは自分のせいじゃない」と思い、悩み
ます。
そんなある日、ローラは耳の病院の先生から"すてきな耳=補聴器"をもらい
ます。すてきな耳との出会いが、ローラを新しい世界へとつなぎ、彼女の
居場所を見つけさせてくれます。
ローラを通して、前半は耳に障害がある子のつらさや苦しさ、後半は新たな
世界が広がった嬉しさが伝わってくるお話です。また、最後に載っている
白井一夫さんの言葉から、すべての子がローラのように"すてきな耳"と
上手に付き合えないことがわかります。
日本では世界と比べると、補聴器の所有率が極端に少なく、その原因の
ひとつとして補聴器に対する誤解や偏見があります。補聴器とうまく
付き合えるようになるには、ある程度の時間も必要ですが、周りの人の
協力が必要不可欠です。
この絵本をきっかけに、耳が聞こえない人たちのこと、補聴器のことに
ついて知ってもらえたら嬉しいです。調べてみると、思い込んでいること、
勘違いしていることが見つかるかもしれませんよ。
2020年9月26日
スタッフおすすめの本紹介

『よろこびの歌』 著者:宮下奈都
出版社:実業之日本社

『終わらない歌』 著者:宮下奈都
出版社:実業之日本社
[ スタッフ書評 ]
「十六にして余生だ」とつぶやく高校2年生、中溝早紀。
彼女は、中学時代ソフトボール部のエースで4番だった。
中学3年の夏の試合で、肩がおかしいのに無理して投げ
続けて、肩を壊した。そしてもう投げられなくなった。
そして高校は、ソフトボールに縁もゆかりもないところへ
行き、「余生」を感じながら、友達と日々を過ごす-。
このままではいけないような、そんな気持ちもしていて。
そんな中クラスメイトの千夏が音楽室で歌を教えてもらって
いる話を聞く。学内の合唱コンクールで指揮したクラス
メイトが教えているらしい。音楽室になんとなく訪ねて
みると…(「No.1」より)
この本は、6人の女子高校生がそれぞれ主人公で登場する。
「私立明泉女子高等学校」にそれぞれの理由で入学した子
たちで、挫折を味わってこの高校に入学した子、ふしぎな
力を持つためにこの高校がいいと入学した子など、それぞれの
事情と相まってお話が進んでいく。高校生の日常が、静かに
でも丁寧に描かれていて、ひきこまれていく。また、話タイトルが、
実際にある歌をタイトルにしているところも惹かれる。6人の
主人公のお話に合わせていて、全部知っている人もいるかしら。
今の世の中、思いきり歌が歌えないけど、歌にもふれることが
できて元気がもらえた。
続編として『終わらない歌』もあるので、主人公たちのその後も
気になる人は、続けてお楽しみください。
2020年8月26日
スタッフおすすめの本紹介

『シャドウ・チルドレン 1』 著者:マーガレット・P・ハディックス
翻訳:梅津かおり
挿絵:くまお♀
出版社:小学館
叢書:小学館ジュニア文庫

『シャドウ・チルドレン 2』 著者:マーガレット・P・ハディックス
翻訳:梅津かおり
挿絵:くまお♀
出版社:小学館
叢書:小学館ジュニア文庫
[ スタッフ書評 ]
アメリカのとある田舎町。主人公のルークは12歳にもなるのに
学校に行ったことがないし、家族以外の人間と話したこともなく、街に
買い物に出かけたこともない。一体なぜ…?
実はルークは、政府が法律でその存在を禁止している三番目の子ども、
"シャドウ・チルドレン"だった!隠れて生きてきたルークだったが、
近所に新しく建った家の屋根裏に、ある日自分のように存在しないはずの
人の姿を見てしまって…!?
―という、スリリングな内容。ルークは果たしてこの先どうなるのか。
また、近所の家の屋根裏にいた人は誰なのか?ドキドキが止まりません!
本国・アメリカでは超絶人気があるらしいのですが、日本ではあまり
知られていないように思います。原著ではどうやら7巻まで出ていると
いうことなのですが、日本語訳されて出版されているのは2巻まで。
早く3巻を出してくれ~という要望も兼ねて全力でおすすめします。
「外国の作品は横文字の名前が覚えられないし、オートミールの描写が
ニガテだからあまり興味がないの」という人や、「海外の物語って干し草の
上で転がったり、魔法を使ったり、クッキーを焼く話ばかりでしょ?」と
思っている、外国文学がちょっと苦手な方にも楽しめる!
2020年7月25日
スタッフおすすめの本紹介

『歌舞伎座の怪紳士』 著者:近藤史恵
出版社:徳間書店
[ スタッフ書評 ]
主人公の久澄は、とある事情で仕事を辞め、今は実家で家事手伝いを
しながら過ごす日々。先行きが見えない不安を抱えながら、どうにも
前に進めずにいた。
そんなある日、しばらく会っていない父方の祖母から奇妙なバイトを
持ちかけられる。
「自分の代わりに観劇して、感想を伝えてほしい」
チケットはもちろん、観劇にかかる諸経費は祖母持ち、おまけにバイト代も
もらえる。二つ返事で引き受けた久澄は、さっそく劇場へと足を運ぶ。
歌舞伎にオペラにストレートプレイ(演劇のジャンル)…初めての
経験に最初は戸惑っていたが、観劇の楽しさを覚え、久澄は次第に
芝居の世界に魅了されていく。
だけど、ひとつ気になることがあった。歌舞伎座で出会った親切な
老紳士。あちこちの劇場で彼と出会うのである。彼の正体は一体…?
私自身観劇が趣味なので、生でお芝居を観る楽しさはよく分かります。
客席に足を踏み入れた時の高揚感、目を離すことができない熱のこもった
芝居、幕が下りた後の心地よい余韻、わかるなぁ…と頷きながら読んで
しまいました。演劇に限らず、本や映画など「違う世界に没入する」
楽しさって、やっぱり特別ですよね。
久澄の抱える不安や一歩踏み出せない気持ちにも共感したので、劇場
通いの日々がもたらした彼女の変化にも勇気づけられました。
劇場で起こるちょっとした事件や謎に包まれた老紳士など、ミステリー
要素も楽しめる本作。コロナ禍で観劇が難しくなった今だからこそ、
読んでいただきたい一冊です。
2020年7月6日
スタッフおすすめの本紹介

『蜘蛛の糸・杜子春』 著者:芥川龍之介
出版社:新潮社
[ スタッフ書評 ]
芥川龍之介が作家として活動していたのは今から100年位前で、代表作は
短いものが多く、皆さんが読めるものばかりです。作品の設定は時代も場所も
違っていて、難しい言葉も出てきますが、注釈があるので大丈夫。人の心を深く
揺さぶる作品です。
表題作の「蜘蛛の糸」は、馴染みがあるかもしれません。また、中国の小説を
元にした「杜子春」も趣深いですが、この本の中で一番好きな作品は何といっても
「蜜柑」です。横須賀発上り二等客車に乗った「私」の語りで話は進みます。
疲労と倦怠で暗い気持ちに沈んでいた「私」ですが、そこへ三等(二等よりは
グレードが下)切符を握りしめた「十三、四の小娘」が乗ってきます。この少女の
描写が続いて話が進むのですが、思いもよらない最後は暖かな気持ちにさせられます。
この本には載っていませんが、「手巾」も好きな作品です。
2020年5月30日
スタッフおすすめの本紹介

『ともしびをかかげて(上)』 著者:ローズマリ・サトクリフ作
訳:猪熊葉子
出版社:岩波書店

『ともしびをかかげて(下)』 著者:ローズマリ・サトクリフ作
訳:猪熊葉子
出版社:岩波書店
[ スタッフ書評 ]
新型コロナウィルス感染禍で思いがけず学校が休校になり、映画館に行くなど
普通にできていた日常が一変してしまいました。そんな中読みたくなったのが、
今日ご紹介する本です。
450年に渡るイギリス支配が終わろうとしていた5世紀初頭。ローマ皇帝に忠誠を
誓ったイギリスの地方軍団の青年司令官アクイラは、ローマ軍がイギリスから全面
撤退する艦隊を目の前にして、自分は乗船せずイギリスに留まります。ところが、
家族の農園は北の氏族に襲われ、両親は殺され、最愛の妹は連れ去られてしまい
ます。アクイラは一人生き残りますが、奴隷となり見知らぬ島に連れていかれます。
過酷な運命にあってアクイラを必死で生きさせたのは、生き別れた妹を探すことと、
イギリスの命運を託すべき人物アンブロシウスを探し当て、彼を支える使命感が
あったからなのです。
アクイラに降りかかる難題や苦渋の選択、思いがけない出会いの数々は、まさに
ハラハラドキドキの連続。1500年以上も前の主人公がまるですぐそばにいる
感覚に襲われるのは、作者の想像力があまりにリアルだからでしょうか。雲雀の
さえずりや花咲くりんごの木の下の語らいは、今も変わらない人間の営みだから
でしょうか。
これは、「ローマンブリテン3部作」の三作目なので、時代の流れからすると、『第9
軍団のワシ』と『銀の枝』を先に読んだほうが同じ家族のつながりにある主人公の
記憶を共有する楽しみが加わりますが、どれから読んでも大丈夫!ちなみに私は、
『第9軍団のワシ』『ともしびをかかげて』『銀の枝』の順に読みました。実は、この
三部作の後に4作目『辺境のオオカミ』が書かれて四部作となりました。
この本を読んで、人間の歴史と自分の短い人生がつながったような感覚を味わい、
「自分を生きる」ことへの勇気がもらえたような気がしました。ぜひご一読を!!
2020年4月27日
スタッフおすすめの本紹介

『われはロボット 決定版』 著者:アイザック・アシモフ
訳:小尾芙佐
出版社:早川書房
[ スタッフ書評 ]
この本は、SF作家アイザック・アシモフによるロボットをテーマにした
短編集になります。
本書でロボット工学三原則というロボットが従うべき原則がつくられ、
この三原則は現実のロボット工学にも影響を与えています。
話はロボットが三原則に反する様な行動をとり、その謎を人が解いていく
SFミステリーの話になっています。
普段SF小説を読まない方やロボット工学が難しいと感じる方でも読み
やすい内容なので、ロボットに興味がある方にはぜひ読んでもらいたい
作品です。
2020年3月24日
スタッフおすすめの本紹介

『ソロモンの指環 動物行動学入門』 著者:コンラート・ローレンツ
訳:日高敏隆
出版社:早川書房
[ スタッフ書評 ]
「刷り込み」って聞いたことがありますか? アヒルやカルガモが卵からかえった
とき、「はじめて見たもの」を親だと思う現象です。作者のローレンツ博士は、
ハイイロガンの卵がかえるときに居合わせて、ヒナの親になってしまいました。
さあ、大変! 博士はヒナをベッドの近くで眠らせ、野原で青草を食べさせ、川で
泳がせます。この刷り込みのエピソードのように、動物と一緒に暮らして、観察
して、そこから動物の生態を考えた、というのがこの本です。
ファーブルとかシートンの本を読んだことのあるあなたなら、ぜったいはまりますよ。
この本は、1963年に初めて日本で出版されました。それから57年もたっていますが、
今読んでも驚きと発見があり、皆さんにおすすめしたい本です。私自身は40年前に
この本を読んだのですが、今回おすすめするにあたって読み直したところ、「こんなに
面白い本だったんだな」とあらためて思いました。ローレンツ博士は動物行動学を
確立し、1973年にノーベル生理学・医学賞を受章しました。
「動物行動学」というとなにやら難しそうですが、ライトノベルしか読まないという
あなたでも、この本はスラスラ読めると思います。とってもセンスの良いユーモアに
あふれ、動物への愛情と好奇心に引き込まれることうけあいです。
2020年2月12日
2019年度 職業体験 ティーンズ本紹介ポップ
[ スタッフから ]
職業体験に来てくれた中学生の皆さんが、
おすすめ本のポップを作ってくれました。
(今回は3校まとめての掲載になります。)
★紹介された本たち
・ソードアート・オンライン 書誌番号 3-0209025626
・きみの友だち 書誌番号 3-0208046342
・火星に住むつもりかい? 書誌番号 3-0500580698
・小説空の青さを知る人よ 書誌番号 3-0500715055
・動物と話せる少女リリアーネ 書誌番号 3-0210051093
・ダブルブリッド 書誌番号 3-0200007294
・蜩ノ記 書誌番号 3-0500105990
・かがみの孤城 書誌番号 3-0500486360
・くちぶえ番長 書誌番号 3-0207046606
・世界がもし100人の村だったら 書誌番号 3-0201076943
ぜひ読んでみてください。
2020年1月28日
スタッフおすすめの本紹介

『カブキブ! 1』 著者:榎田ユウリ
叢書名:角川文庫
出版社:KADOKAWA
[ スタッフ書評 ]
小さい頃から歌舞伎が好きだった主人公の「クロ」が高校で歌舞伎部を作ろうと
するところから話は始まります。彼は歌舞伎部発足に向け仲間を集めようと奮闘
するのですが…。
歌舞伎と聞くと一般的には敷居が高いイメージ。特に中学生高校生なら尚更です。
このお話は伝統的な歌舞伎役者の世界を舞台にした話ではありません。
クロは歌舞伎は大好きだけれどただの素人。自分も皆も楽しめる高校生でも分かる
ような歌舞伎を演じて、歌舞伎についてもっと皆に知ってもらいたい。皆で一緒に
歌舞伎を楽しみたいと思って仲間を探します。
1度は耳にしたことのある有名な科白が実は思いもよらない場面の科白だった!?など
歌舞伎について興味を持てる作品です。
まだ実際に歌舞伎を見たことがないあなた。年始めに新しい世界をちょっと覗いて
みませんか?
2019年12月28日
2019年度 山内中学校展示入れ替え
[ スタッフから ]
山内中学校の生徒さんが、ティーンズの展示コーナーを
新しくしてくれました。
写真を活用した展示はとても見ごたえがあり、手作りの
飾りやPOPもよくできています。
たくさんの本を紹介してくれたので、ぜひ読んでみてください。
★紹介された本たち
コーヒーが冷めないうちに 3-0500329655
わたしの苦手なあの子 3-0500510971
表参道高校合唱部! 涙の数だけ強くなれるよ 3-0500345305
ワルのぽけっと 3-0198029667
小説君の名は。 3-0500389148
陸王 3-0500396293
ココ・シャネル コミック版世界の伝記 3-0212017989
スティーブ・ジョブズ 3-0500191924
お笑いの達人になろう! 3-0209023673
ふた子の星 3-0190202477
タラ・ダンカン 3-0500384088(シリーズ本です)
風が強く吹いている 3-0206066644
小学館故事成語を知る辞典 3-0500637918
名作転生 3-0500493210
ほんとは怖い 京都の地名散歩
マクドナルドの7つの秘密
ディズニーブック誕生から未来まで
(図書館所蔵なし)
※タイトル後ろの数字は書誌番号です。
2019年12月23日
スタッフおすすめの本紹介

『赤い館の秘密』 著者:A・A・ミルン
訳者:山田順子
装画:大塚砂織
装幀:内海由
叢書名:創元推理文庫
出版社:東京創元社
[ スタッフ書評 ]
「クマのプーさん」シリーズの作者A・A・ミルンの推理小説です。生涯でたった
1冊書いた推理小説です。
劇作家として人気を博していたミルンが、推理小説が好きだった父親のために
物語を書こうとしたところ、周りからはユーモア小説を書いたほうがよいと
止められたそうです。ところが発表されると大評判になり、その2年後、息子の
クリストファー・ロビンのために童話を書こうとすると、今度はみんなが読みた
がっているのは推理小説だといわれたという逸話が残っています。
物語はイギリスの田園地帯。暑い夏の日、15年ぶりに弟が暮らす赤い館に兄が
訪ねてきます。ところが、その兄が殺され、館の主の弟は失踪してしまいます。
たまたま赤い館に滞在していた素人探偵のギリンガムが、友人のペヴァリーに
ワトスン役を頼み真相解明に乗り出します。
ミルンらしくどこかほのぼのとしたミステリーです。コナン・ドイルが生み出した
シャーロック・ホームズが誕生してから30年。推理小説黎明期に書かれた本です。
2019年12月23日
2019年度 職業体験 ティーンズ本紹介ポップ
[ スタッフから ]
職業体験に来てくれた中学生の皆さんが、
おすすめ本のポップを作ってくれました。
★紹介された本たち
・失敗図鑑 すごい人ほどダメだった! 書誌番号 3-0500584792
・ハリー・ポッターと秘密の部屋 書誌番号 3-0200053568
・給食番長 書誌番号 3-0500178368
・かいけつゾロリあついぜ!ラーメンたいけつ 書誌番号 3-0201078627
ぜひ読んでみてください。
2019年11月29日
2019年度 職業体験 ティーンズ本紹介ポップ
[ スタッフから ]
職業体験に来てくれた中学生の皆さんが、
おすすめ本のポップを作ってくれました。
★紹介された本たち
・ツバキ文具店 書誌番号 3-0500371902
・ぼくらの七日間戦争 書誌番号 3-0500172679
・ダレン・シャン 奇怪なサーカス 書誌番号 3-0201039157
・5秒後に意外な結末シリーズ 書誌番号 3-0500439935
(シリーズで他にもあります)
ぜひ読んでみてください。
2019年11月27日
スタッフおすすめの本紹介

『無菌病棟より愛をこめて 』 著者:加納朋子
出版社:文藝春秋
[ スタッフ書評 ]
本書は、人気作家の白血病闘病記です。
数年前、ノンフィクションをあまり読まない私が、この本を手に取った
きっかけは、大好きな作家の新刊書だったから。いつものように楽しく
ページをめくったところ、そこには著者が貧血で倒れ、さらには白血病が
発覚した事実が記されていました。
読み進めていくうちに驚いたのは、闘病記にも関わらず、重苦しさがない
ということ。治療に伴う、抜け毛、体重減少、痛み等の辛さがユーモアで
くるまれ、前向きに過ごす様子が日記に綴られます。
入院中も、愛読しているマンガやテレビアニメのチェックを欠かさず、
旦那さんに少女マンガ誌を買いに行ってもらったり。
テレビに出ている俳優と髪の毛の量で張り合ってみたり。
看護師さんに「その笑顔が大好き」と褒められたり。
何も知らない来院者に、「白血病患者とは思えない」と驚かれるほど元気
(に見える)な秘密は、家族や友人のサポートとともに、「なるべく死な
ないようにがんばろう」と自分自身に言い聞かせながら、コツコツ努力を
積み重ねているから。
自主的に行っている体操も、看護師さんに注意されるほど頑張りますし、
吐き気と闘いながらも何とか食べようと工夫もします。
前半は、白血病発覚から即入院となり、化学療法をするまで。後半は、骨髄
移植と無菌室での入院生活、退院するまでの二部構成となっています。
著者がたくさんの人たちを愛し、そして愛されていることが伝わってくる、
生きる力に満ちた闘いの記録です。
本書を読んだ後には、2014年に出版された小説「トオリヌケキンシ」
(3-0500205497)をおすすめします。6つの物語のうち、最後の一篇にハッと
するはず!
2019年11月20日
2019年度 職業体験 ティーンズ本紹介ポップ
[ スタッフから ]
職業体験に来てくれた中学生の皆さんが、
おすすめ本のポップを作ってくれました。
★紹介された本たち
・億男 書誌番号 3-0500569980
・死神の精度 書誌番号 3-0208008016
・かわいそうなぞう 書誌番号 3-0190478194
・一瞬の風になれ 第1部 イチニツイテ 書誌番号 3-0209052645
ぜひ読んでみてください。
2019年11月12日
2019年度 職業体験 ティーンズ本紹介ポップ
[ スタッフから ]
職業体験に来てくれた中学生の皆さんが、
おすすめ本のポップを作ってくれました。
★紹介された本たち
・屋上のテロリスト 書誌番号 3-0500477884
・いなくなれ、群青 書誌番号 3-0500192298
・トリックアートおばけやしき 書誌番号 3-0212086999
ぜひ読んでみてください。
2019年10月30日
スタッフおすすめの本紹介

『ワセダ三畳青春記』 著者:高野秀行
叢書:集英社文庫
出版社:集英社
出版年:2003.10
[ スタッフ書評 ]
早稲田大学の探検部に入部した著者が下宿先に選んだのは、三畳一間、
家賃月1万2千円、早稲田のぼろアパート野々村荘。トイレ、台所は共同で
もちろんお風呂はなし。
そんな野々村荘の住民といえば、10年間、司法試験を受け続けている
浪人生や、とにかくケチで奇妙な食事を作り悪臭を垂れ流す守銭奴、お風呂に
入らず台所で手足だけ洗って済ませる人などなど、奇天烈な人ばかり。
いわゆるしみったれた環境なのですが、探検部の仲間たちや野々村荘の
住民たちとのエピソードが想像以上に面白く、カラッとしていて、この
下宿に一緒に住んでいるような気分になります。
「授業に出なくても大学の建物を見るだけで出席したような気分になれる」
と正しいのか間違っているのかわからない理由で11年間住むことになります。
高野秀行さんの著書は文章が読みやすく、本音で語られていて飾りがなく、
はずれがありません。
沢山の著作がありますが、アフリカの奥地コンゴに怪獣を探しに行く探検記
『幻獣ムベンベを追え』もぜひお勧めしたい一冊です。
2019年9月29日
スタッフおすすめの本紹介

『三軒茶屋星座館』 『三軒茶屋星座館 冬のオリオン』(文庫版) 著者:柴崎竜人
出版社:講談社
[ スタッフ書評 ]
寒さが厳しくなるにつれて空気が澄み、夜、ふと空を見上げたときに
星が見えやすくなってきます。今回紹介する本は、きれいな星空を
1年中見ることができるプラネタリウムが舞台の「三軒茶屋星座館」
です。文庫版には、副題で「冬のオリオン」とつきます。
東急田園都市線三軒茶屋駅の裏手、カフェやキャバクラが入る雑居
ビルの7階に大坪和真(おおつぼかずま)がオーナーを務めるプラ
ネタリウム「三軒茶屋星座館」はあります。話は弟の創馬(そうま)が
娘の月子(つきこ)を連れ、10年ぶりに海外から帰国し、和馬の
もとで居候するところから始まります。
和真と創馬の兄弟関係、月子との関係、そして星座館に訪れるお客さん
たちや同じ雑居ビルで働く人たちとの関係。それぞれが少しずつ進んで
いくことで、物語は和真の過去と"家族の絆"へと繋がります。
また、"家族の絆"とともに注目してもらいたい点は、お客さんから
リクエストがあった時に披露される和真による超現代語訳ギリシャ
神話です。超絶美男子の巨人オリオン、山羊そっくりの顔をした
テンション高めの空気を読まない牧神パーン、矢で射った者を恋に
落としてしまう力を持つけれども残念なくらいに童貞力の高いオタクで
恋の神様エロス、そして神々の王で全天一のトラブルメーカーみんな
大好き大神ゼウスなど、どの神様も和真のイメージで語られているため、
ちょっと言葉遣いが悪くて人間っぽく魅力的に見えます。
今回は冬の星座が取り上げられていますが、春夏秋の星座も続巻で
語られているので、自分の誕生日の星座や気になる星座があったら、
そこから読んでみてください。
2019年8月31日
2019年度 職業体験 ティーンズ本紹介ポップ
[ スタッフから ]
職業体験に来てくれた中学生の皆さんと、
山内図書館に実習に来てくれた大学の学生さんが、
おすすめ本のポップを作ってくれました。
★紹介された本たち
・また、同じ夢を見ていた 書誌番号 3-0500348993
・風が強く吹いている 書誌番号 3-0206066644
・君たちはどう生きるか 書誌番号 3-0500515607
・その日、朱音は空を飛んだ 書誌番号 3-0500642456
・夏と花火と私(わたし)の死体 書誌番号 3-0200029047
ぜひ読んでみてください。
2019年8月24日
スタッフおすすめの本紹介

『薄紅天女』 著者:荻原規子
装丁:鈴木ひろみ
フォーマット:前田浩志・横浜順美
表紙画:いとうひろし
出版社:徳間書店
[ スタッフ書評 ]
舞台は平安時代の武蔵の国(今の東京)。村の女の子たちが話題にしない日は
ない二連とよばれる男の子二人のうちのひとり、阿高(あたか)。二連のもう
一人、藤太(とうた)と共に育ってきて何をするにもそばで過ごしてきたが、
ある日藤太が恋をしたことから、二連の関係は変化しようとしていた。同時に、
藤太が阿高にひみつにしていたことが、阿高の知る所となり、二人はけんか
別れしてしまう。阿高は自分が何者なのか知ろうとして、自分を迎えにきた
蝦夷(えみし)と呼ばれる人々についていくが、人ならざる力をもつことに
なってしまう…。
一方、京の都では、怨霊(おんりょう)とよばれるものがあらわれ、人々を
恐怖に陥れていた。帝の娘、苑上(そのえ)は、その災厄が身内の命を奪い、
なんとかしたいと考えていたが、伊勢の国(今の三重県)へ送られそうになり、
ここにとどまりたいと突拍子のない考えを思いつく。帝の娘として野山を
出歩いたことない姫だったが、男に混ざり近衛兵として任務につく仲成
(なかなり)のもとにつくことになった。
京の都の怨霊とはいったい何なのか。苑上の前にも怨霊があらわれはじめ、
命を奪われそうになるが、それを助けたのは阿高であった。
二人の出会いが引き起こすもの。自分が何者かを知るために、家族や友達の
存在は欠かせない。阿高と藤太、ふたりのつながりや苑上の兄弟たちとの
つながり、最後までどうなるか、ハラハラしながら読む事ができる歴史の
中のファンタジー。実際に歴史に名前が出てくる人物が登場する、著者が
参考にした『更級日記』がどのようなものか、歴史や古典文学に興味の幅を
広げたくなる一冊です。
2019年7月23日
スタッフおすすめの本紹介

『そして五人がいなくなる 名探偵夢水清志郎事件ノート』 著者:はやみねかおる
絵:村田四郎
出版社:講談社
[ スタッフ書評 ]
今回紹介するのは、はやみねかおるさんの「そして五人がいなくなる」
(名探偵夢水清志郎事件ノートシリーズ)です。
岩崎家の隣の洋館に、夢水清志郎という謎の探偵が引っ越して来るところ
から物語は始まります。彼は大学の教授だったのですが、いろいろあって
今は探偵をやっています。なので、岩崎家の人たちは'教授'と呼ぶことに
しました。
教授はその風貌もですが、少し変わった人です。どのくらい変わった人か
と言うと、自分で自分のことを名探偵と名乗ります。そしてとにかく寝ます。
ずーっと寝ていて、ごはんを食べるのも忘れちゃうくらい寝ます。けれど、
起きたら人の何倍も食べます。読書が大好きで、教授の家にはめずらしい
本がたくさんあり、足の踏み場もないくらいです。寝る・食う・読むしか
しない教授ですが、事件となると超すごい!ソファに座ったまま話を聞いた
だけで、誰も解けなかった事件をあっさりと解決してしまう。そしてとても
あたたかくて優しい、人を幸福にする名探偵なのです。
ミステリーが初めての方や、むずかしいのは苦手な方にも読みやすく、
シリーズのどれを読んでも面白い!ドラマ化や漫画化もされた、とても
魅力的な名探偵の出てくる物語です。
2019年7月13日
2019年度 元石川高校展示入れ替え
[ スタッフから ]
元石川高校の学生さんと先生が、ティーンズコーナーの
展示に来てくれました。
手作りのPOPはどれも良くできていて、
イラストもとてもきれいにかけています。
興味のある方はぜひ読んでみてください。
★紹介された本たち
ぼくのニセモノをつくるには 3-0500198917
聖の青春 3-0202029104
8年越しの花嫁 3-0500283505
スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン 3-0210051476
けろけろけろっぴの徒然草 (こちらの図書は図書館に所蔵していません)
岳物語 3-0190408733
部位別トレ(雑誌ターザン) 3-0500687761
霧のむこうのふしぎな町 3-0204093348
行ってはいけない世界遺産 3-0500283948
きみの友達 3-0208046342
世界がもし100人の村だったら 3-0201076943
白ゆき姫殺人事件 3-0500135577
屍人荘の殺人 3-0500529110
1リットルの涙 3-0205012348
ぼくは明日、昨日のきみとデートする 3-0500186616
舟を編む 3-0211065161
※タイトル後ろの数字は書誌番号です。
2019年6月26日
スタッフおすすめの本紹介

『精霊の守り人』 『軽装版 精霊の守り人』 著者:上橋菜穂子
絵:二木真希子
出版社:偕成社
[ スタッフ書評 ]
今月ご紹介するのは、上橋菜穂子さんの「精霊の守り人」。
「守り人」シリーズの第1巻目です。
旅の女用心棒バルサが、新ヨゴ皇国の第二皇太子チャグムの
命を救うところから物語は始まります。彼の身にはナユグ
(もう一つの世界)の水の精霊の卵が宿っており、それを
疎んだ実の父である帝が、わが子を殺そうと刺客を差し向けて
きます。さらに、チャグムに宿った卵を狙うナユグの魔物の
存在も・・・。幼い皇子の命を守るため、「短槍使いのバルサ」
は命がけの逃避行に身を投じます。
「異世界を舞台にしたファンタジー」と一言でくくれないのが
「守り人」シリーズの魅力です。文化人類学者の著者が描く世界は、
壮大かつとても色鮮やか。作中に登場する国の文化や暮らし、
伝承が細部に渡って描かれ、一度読めばその世界にどっぷり
はまってしまいます。
バルサをはじめ、登場人物ひとりひとりもまた、血の通った生きた
人間として描かれています。それぞれの思いや事情、人間関係が
複雑に絡み合う「人間ドラマ」としての魅力もあり、子供から大人
まで幅広く読んで欲しい作品です。
巻を追うごとに広がっていく「守り人」の世界、ぜひ体感してみて
ください。
※余談ですが、異国の香り漂う料理の描写にも注目してみてくだ
さい。どれもとても美味しそうで、読みながら想像を巡らせるのも
楽しいですよ。私のおすすめは「ノギ屋の弁当」です。
2019年5月22日
スタッフおすすめの本紹介

『ふくろうくん』 著者:アーノルド・ローベル
訳:三木卓
出版社:文化出版局
[ スタッフ書評 ]
児童向けの本で、原題は『OWL AT HOME』。主人公のふくろうくんは
1人で住んでいます。5つの小さなおはなしに分かれています。その中
から「うえとした」を紹介すると・・・。
2階家に住むふくろうくんは、1階に居る時には2階が気になり、2階 に
居る時には1階の様子が気になります。「いっぺんに 2かいと
1かいにいられるやりかたが あるはずだ。」と考えたふくろうくんは、
2階に行って「きみ したに いるのかい?」と聞いてみますが誰も答え
ません。だって2階にいるのですから。1階に下りてきて「きみ うえに
いるのかい?」と聞いてもへんじはなし。更に階段をすごい勢いで駆け
上がったり、駆け下りたりします。でもうまくいきません。とうとう階段の
10段目に座り込んでしまいました。「だって そこが うえと したの
ちょうどまんなかですものね。」これで終わりです。ただそれだけのお話なの
ですが、ローベルのユーモラスな絵も相まって何とも楽しく読めるのです。
大人も十分楽しめる『ふくろうくん』の独特の楽しい世界を味わってほしい
です。我が道をゆくふくろうくんが大好きです。
2019年4月24日
スタッフおすすめの本紹介

『トリガー(teens' best selections)』 著者:いとうみく
出版社:ポプラ社
[ スタッフ書評 ]
----子どものことはなんだって知ってる?顔を見ればなにがあったか
すぐわかるって?エスパーかよっ。---- 全中学生代表的な主人公の
ことばにドキッとする。
母の 「悩んでいることがないか」 という質問に中学2年生の音羽(とわ)
は「べつに悩みなんかないよ」 と答えながら心の中で思う。
そもそも悩みのない中学生なんているのだろうか? 愚問だ。
この頃音羽は、親友の亜沙見(あさみ)の存在が重い。16歳年の離れた姉が
病気で亡くなってから、何か微妙な空気が二人の間に流れている。自殺を
ほのめかす発言をした亜沙見を軽くかわして別れたその日から彼女が姿を
消してしまった。自分を責め続ける音羽。三日後その亜沙見がそっと彼女の
元へやってきて打ち明けた真実とは・・・
自分はなぜ生まれてきたのか?
自分はなぜ生きているのか?
少しの間家族からも学校からも離れ、生きる意味を問う旅をする少女二人。
果たして「トリガー(銃の引き金)」は引かれたのか。
読書好きの方なら、三浦綾子の『氷点』も読んでみてください。
2019年3月19日
スタッフおすすめの本紹介

『太陽の子』 著者:灰谷健次郎
絵:田畑精一
出版社:理論社(フォア文庫)
[ スタッフ書評 ]
今月紹介する本は、とても重たい本です。といっても、10キロ程の
重さを持っている本という意味ではありません。読んでいて、いろいろ
考えさせられるのです。
主人公のふうちゃんは小学校6年生。つい半年前まではお父さんと楽しく
おしゃべりしながら散歩していたのに、今のお父さんは笑う事を忘れて
しまった。だからふうちゃんは、お父さんに一生懸命話しかける・・・。
ところがある時、お父さんの手が小刻みに震え、お父さんは「ふうちゃん
が殺されるやろが・・・。」といって、裸足で外に飛び出した・・・。お父さんの
発作は時々こんなふうに起こるのです。でもそんな重たいストーリーの中
で、私にとっては顔面に飛び膝蹴りを浴びせられるような言葉がいくつも、
いくつも出てくるのです。それを少しだけ紹介します。
「生きている人だけの世の中じゃないよ。生きている人の中に、死んだ人
もいっしょに生きているから、人間は優しい気持ちを持つことができる。
人間は一人ぼっちじゃない。だから、自分の事しか考えてへんときは不幸
なもんや。」
「悲しい事があったら 人を恨まない事。悲しい事があったら しばらくひ
とりぼっちになる事。 悲しい事があったら ひっそり考える事」
「いい人間ほど勝手な人間になれないから辛くて苦しいんや。人間が動物と
違うところは、他人の痛みを自分の痛みに感じてしまうところなんや。ひょっ
とすれば、いい人間と言うのは、自分のほかにどれだけ自分以外の人間が
住んでいるか、というところで決まるのやないやろか・・・。」
あなたがこの物語を読んで、共感していただければとても嬉しく思います。
2019年2月26日
スタッフおすすめの本紹介

『運命の騎士』 著者:ローズマリ・サトクリフ
訳者:猪熊葉子
出版社:岩波書店(岩波少年文庫)
[ スタッフ書評 ]
春の足音が聞こえるこの季節は、新たな旅立ちを前に悲しい別れに
心の痛みを味わう季節かもしれません。
春休みには、心の充電のために、読み応えのある物語の主人公と
冒険の旅に出るのはいかがですか。
おすすめは、中世のイギリスが舞台の『運命の騎士』。
お城の犬飼いの孤児ランダルは、ふとしたことから、騎士ダグイヨンの孫、
ベービスの小姓として育てられることに。中世の陰謀が渦巻く騎士社会の
中で、同年代のベービスとの身分を超えた友情、悲しい別れ、そして青年
となったランダルの託された重い運命とは…。
人生の階段をまたひとつ昇るみなさんにぴったりの一冊となるといいなあ…。
2019年1月25日
スタッフおすすめの本紹介

『オリエント急行の殺人』 著者:アガサ・クリスティ
訳者:長沼弘毅
出版社:東京創元社
装画:ひらいたかこ
装幀:小倉敏夫
[ スタッフ書評 ]
積雪によって閉じ込められたオリエント急行列車の車内で、
アメリカ人実業家が何者かによって殺されてしまう。
乗客の一人で探偵のエルキュール・ポワロは捜査を始めるが、
乗客は様々な国籍と身分の人たちばかりで、しかも完璧なアリ
バイもある。
やがて捜査を進めていくなかでポワロはある二つの答えにたど
り着く。
ミステリー作家アガサ・クリスティの、探偵エルキュール・ポワ
ロシリーズの中でも傑作といわれている作品です。
2018年12月20日
スタッフおすすめの本紹介

『嘘の木』 著者:フランシス・ハーディング
訳者:児玉敦子
出版社:東京創元社
装画:牧野千穂
装幀:大野リサ
[ スタッフ書評 ]
主人公のフェイスは、将来科学者になりたいと思っている好奇心旺
盛な女の子。ところが時は、19世紀、ヴィクトリア朝時代。女の子
が学問をすることは、よいこととされていません。フェイスは博物
学者の父親が大好き。ところが、父親はある日謎の死を遂げてしま
います。自殺なのか他殺なのか――父親の死の謎解きがはじまりま
す。また、父親が残した手記により「嘘の木」の存在を知ったフェ
イスは、この「嘘を養分に育ち、実を食べた者に真実を見せる」と
いう不思議な植物にとりつかれていきます。フェイスは嘘の木の実
を食べて父の死の真相を暴くことができるのか? この話は、少女
の成長物語であり、ミステリーであり、ファンタジーでもあります。
全体的にトーンは暗めですが、はまります! 人気作家の宮部みゆ
きさんが「1年間で1番おもしろかった本」と書評したことでも、
人気に拍車がかかりました。
2018年11月23日
スタッフおすすめの本紹介

『ナチスに挑戦した少年たち』 著者:フィリップ・フーズ
訳者:金原瑞人
出版社:小学館
[ スタッフ書評 ]
ナチス、と聞いて思い浮かべる本といえば『アンネの日記』ですよね。
かくまわれて地下生活を送り、しかし捕まって強制収容所に送られそこで
命尽きてしまうユダヤ人少女アンネ。
今日紹介する本は、その同じ時代にナチスに抵抗することを選んだデンマ
ークの少年たちを書いた実話です。彼らは自分たちのグループを「チャー
チルクラブ」と名付けました。イギリスの勇気ある首相チャーチルにちな
んで。その中心人物であったクヌーズ・ピーダスンへのインタビューと綿
密な取材をもとに書かれています。(写真も多数あり)
最初はいたずら程度だったものが次第にエスカレートし、最後には爆弾を
作り操車場を襲ってコンテナ車両を爆破させてしまいます。
彼らの行動は胸がすくような思いもする一方で、その無謀さ無鉄砲さが怖
いほどです。持っているものは自転車くらいの、まだほんの中学生の彼ら
はその後どうなったでしょうか。
この本には多くのことを考えさせられます。けれども、アンネらが命を落
としたあの暗い時代が自分の中で少しだけ明るくなったような気もするの
です。
2018年10月28日
2018年度 元石川高校展示入れ替え
[ スタッフから ]
元石川高校の学生さんが展示の入れ替えに来てくれました。
映画化もされた「世界から猫が消えたなら」などが紹介されています。
その中でも「科学者はなぜ神を信じるのか」は有名な科学者の多くは、
実は「神」の存在を意識していたという内容です。
興味がある方はぜひ読んでみてください。
★紹介された本たち
「世界地図の下書き」 3-0500066944
「かくりよの宿飯(シリーズ)」 3-0500582023
「親指の恋人」 3-0208006195
「空飛ぶ馬」 3-0194030587
「世界から猫が消えたなら」 3-0212077888
「科学者はなぜ神を信じるのか」 3-0500600222
※タイトル後ろの数字は書誌番号です。
2018年10月25日
スタッフおすすめの本紹介

『怪物はささやく』 著者:シヴォーン・ダウド(原案)
パトリック・ネス
訳者:池田真紀子
出版社:東京創元社(創元推理文庫)
装画:ジム・ケイ
装幀:東京創元社装幀室(K6SK)
[ スタッフ書評 ]
47歳でこの世を去ったシヴォーン・ダウドが遺したアイディアを
パトリック・ネスが引き継ぎ、完成させた同名のベストセラー児童文学。
教会の墓地が見える家で、母親と2人暮らしの13歳の少年コナー。
ある日、不気味な大木の怪物が現われ、
“お前に3つの物語を話す。4つめはお前がお前の真実の物語を話せ”と
コナーに告げます…。
「永遠のこどもたち」「インポッシブル」のJ・A・バヨナ監督が映画化
し、2017年に公開されました。
母の病気の悪化、学校での孤立、そんなコナーに怪物は何をもたらすのか。
心締めつけられる物語です。
2018年9月27日
スタッフおすすめの本紹介

『銀河英雄伝説 1(黎明篇)』 著者:田中芳樹
出版社:東京創元社(創元SF文庫)
装画:星野之宣
装幀:岩郷重力+WONDER WORKZ。
[ スタッフ書評 ]
数年前、田中芳樹さんの長く続いていた作品がアニメ化し、学生時
代に著書の『創竜伝』を読んでいたため、懐かしい著者の名前が出
てきたなぁと思っていたところ、『アルスラーン戦記』に続いて今
年は『銀河英雄伝説』がアニメ化!
良い機会だと興味があったものの未読だった同作品を読んでみまし
た。ものの見事にはまりました。外伝を合わせて15巻を一気読み。
内容を書くとネタバレになってしまいそうなので難しいのですが、
話の中心となるのは常勝の天才と不敗の魔術師と称される2人。
専制政治と民主政治の各陣営に身を置く2人が戦うことで壮大な物
語が繰り広げられます。
物語そのものの魅力はもちろんのこと両陣営の主人公が非常に魅力
的!さらにこの2人を支える幕僚たちも個性的な面々が多く大変印
象的です。
敵対国の人間でありながら好敵手としてお互いの力量を認め、称え、
敬愛の思いさえ抱く2人がどんな道を歩むのか。今読んでも全く色
褪せることのないSF作品を是非手に取ってみてください!
来年には劇場版公開!待ち遠しい♪
2018年7月20日
2018年度 元石川高校展示入れ替え
[ スタッフから ]
元石川高校の学生が新しくティーンズ展示コーナーの入替えにきてくれました。
今回は、東野圭吾などの人気作家や夏目漱石のような文豪までそろえてあります。
また電車を扱った図書もあるので、好きな方はぜひ読んでみてください。
★紹介された本たち
「ハーモニー」 3-0210089063
「阪急電車」 3-0210056797
「白銀ジャック」 3-0211080713
「ミッキーマウスの憂鬱」 3-0208061170
「電車で行こう」 3-0500592775
「こころ」 3-0204037475
※タイトル後ろの数字は書誌番号です。
2018年8月24日
スタッフおすすめの本紹介

『活版印刷三日月堂 星たちの栞』 著者:ほしおさなえ
出版社:ポプラ社
[ スタッフ書評 ]
いきなりですが、活版印刷を知ってますか?
活版印刷とは、簡単にいうと一つの文字が刻まれた活字という判子を
いくつも集めて文章を組み、印刷する方法のことです。
ちょっと前まで、そう、昭和の中ごろまでは、本や新聞はこの方法で
印刷されていました。
インクが浮き上がっているように見えるぼってりとした何とも言えない
味のある文字で書かれた古い本を手にしたことがありませんか。
それが、活版で印刷された本です。
前置きが長くなりましたが、舞台は川越にある古い活版印刷所。
長い間、閉じられていましたが、孫娘の弓子が営業を再開します。
店にやってくるのは、自分の気持ちを大切な人にうまく伝えられず
もどかしい思いをしている人たち。
そんな彼らの依頼に応じて、弓子は言葉を紡ぎ、1枚1枚手作業で
彼らの想いをカードに印刷します。
短い言葉から伝わる切ない想い。
言葉の美しさ、活字の温かさに気づかせてくれます。
4つの物語が収められています。
また、シリーズ化されておりこのほか3作あります。
2018年7月27日
スタッフおすすめの本紹介

『赤の他人だったら、どんなによかったか。』 著者:吉野万理子
出版社:講談社
[ スタッフ書評 ]
完全に「ジャケ借り」です。
この表紙、ものすごくインパクトがありませんか??
通り魔の犯人が血縁者と知り、
「赤の他人だったら、どんなによかったか」
と考える中学2年生の風雅。
そこに犯人の娘、聡子が転校してきます。
血の繋がりがあるというだけで連帯責任を負わせようとする風潮を、
同級生たちはストレートに反映し、聡子を追い込んで孤立させていきます。
そんな状況の中で、「人との繋がりってなんだろう」と考え始める彼ら。
「一応覚えといて。逃げ道がある、別の選択肢がある、ってこと。」
どんな状況に追い込まれても行き止まりではなく、道は絶対にある。
状況は考え方ひとつでひっくり返るのだと感じました。
この作品は、風雅と聡子の視点でそれぞれ書かれています。
ちなみに、裏表紙の絵は聡子です。
夏休みに、ぜひ読んでみませんか?
2018年6月26日
スタッフおすすめの本紹介

『バッタを倒しにアフリカへ』 著者:前野ウルド浩太郎
出版社:光文社
[ スタッフ書評 ]
「ジャケ買い」ってしたことありますか?
「ジャケ買い」は、本の表紙やCDジャケットのデザインに心を惹かれ、
内容はわからないけれど、つい買ってしまうことです。
今回紹介する『バッタを倒しにアフリカへ』の表紙、いかがですか。
ちょっと異様でヘンな写真ですが手が伸びそうですか。
私も最初は読むつもりはなかったのですが、
メディアに紹介されていたのをきっかけに読み始めたら、止まらないおもしろさ!
バッタ大発生による農業被害を食い止めるため、
若き昆虫学者「前野ウルド浩太郎」がアフリカで闘うお話です。
けれども、闘う相手はバッタだけではありません。大自然やら異なる文化やら、
お金の問題やら・・・一筋縄では進みません。
あれやこれやのエピソードを飾らない言葉でつづっていきます。
写真もたくさん載っています。
言葉では伝わらない様子は是非画像でお楽しみ?ください。
ちなみに表紙の虫取り網を持ってバッタに変装しているのは、
もちろん著者本人。
読んだ後はバッタに変装する著者の気合に共感できること間違いなしです!
2018年5月13日
スタッフおすすめの本紹介

『ぼくらの近代建築デラックス!』 著者:万城目学/門井慶喜
出版社:文藝春秋
[ スタッフ書評 ]
大阪・京都・神戸・横浜・東京の名建築を人気作家2人が訪ね歩き、
語りつくす贅沢な1冊です。
門井さんからほとばしる薀蓄に対する万城目さんの冴えわたるツッコミ。
この絶妙のコンビネーション!2人のやり取りを読むだけでも楽しいですが、
本書で紹介されている名建築を実際に訪ねてみると、また違った発見があるはず。
個人的には、横浜みなとみらいにある「ドックヤードガーデン」がオススメ。
方向音痴でもたやすく辿り着ける立地とあの何もない空間が
心を落ち着かせてくれるのです。
まずは地元横浜から「建築さんぽ」始めてみませんか?
2018年4月23日
2017年度 職業体験の最後のポップ
[ スタッフから ]
今回は今年1月末に職業体験に来てくれた中学生のポップの紹介です。
2017年度、7校の中学校の生徒さんたちが職業体験をしましたが、
いよいよ最後の学校です。
体験の中で、返却された本を書架に戻す作業では、
本を数冊持って立ったりしゃがんだり、
意外に重労働だったと感想を言ってくれました。
おすすめの本は、中高生だけでなく大人の私たちも楽しめる本です。
幅広い年代の人たちに読んでもらいたいですね。
★紹介された本たち
・ナミヤ雑貨店の奇蹟 3-0500217704
・幻想郵便局 3-0500012107
・真田太平記 第1巻 天魔の夏 3-0205018390
・月の影影の海 上巻 十二国記 3-0212046927
2018年4月12日
スタッフおすすめの本紹介

『名人』 梅佳代/著
出版社:静山社
[ スタッフ書評 ]
皆さんは、将来どんな仕事をしたいですか?
身近な人は、どんな仕事をしていますか?
写真家の梅佳代が、高尾山の飴細工師から北海道のワカサギ釣り名人まで、
全国18人の名人に体験取材。
お互い真面目に話しているはずなのに、なぜか笑いを誘います。
梅佳代の観察眼が冴えまくり。
ありふれた日常がなんだかうれしくなる一冊です。
あ、あなたの隣にも名人が……
2018年3月30日
スタッフおすすめの本紹介

『ある明治人の記録 会津人柴五郎の遺書』 石光真人/編著
出版社:中公新書
[ スタッフ書評 ] 今年は明治維新150年。
『西郷どん』もドラマ化されています。
でも、私たちがよく知っているのは、
明治維新を成し遂げた新政府側から見た歴史が殆どです。
突然逆賊になった会津藩の人達のその後の様子は、想像を絶するものでした。
あばら家のような未開の土地を開墾したり、下働きをしたり…。
会津の人達はどう乗り越えたのでしょう。断られても断られても、
懸命に喰らいついてゆく様子には、圧倒されます。
青春記としても読めます。
2018年3月20日
職業体験生のおすすめの本
[ スタッフから ]
まだまだ寒かった1月に
職業体験に来てくれたみなさんのおすすめ本の紹介です。
海外の古典の名作から、最近映画にもなった時代小説まで個性的。
そういえば、ヘルマンヘッセは高校時代の国語の先生に進められて読んだなあ、
なんて思い出しました。
そして高校生がすすめる時代小説はどんな感じなのでしょう。
興味津々。
新たな発見がありそうです。
★紹介された本たち
・超高速!参勤交代 3-0500261354
・君の膵臓をたべたい 3-0500279723
・かがみの孤城 3-0500486360
・車輪の下 3-0500285764
・星の王子さま 3-0500505907
2018年3月20日
元石川高校、今年度最後の入替え
[ スタッフから ]
先日元石川高校の1年生がティーンズ展示コーナーの入替えにきてくれました。
今年度最後の入替えです。
今回も懐かしい絵本や新しい小説などなどバラエティに富んでいます。
その中のひとつ、ペンギンたちが乗っている氷山が
どんどん小さくなっていくイラストが。
ペンギンたちのピンチ、さてさてどんなお話なのか。
ポップによると「ためになる物語なので是非読んでください」とのこと。
春だし、桜も咲き始めたし、新しい本と出会う良い機会。
手にとって読んでみましょう。
この1年、ティーンズコーナーを見た利用者から「素敵ですね!」
と何度も声を掛けられました。
展示を担当してくれた元石川高校のみなさま、忙しい中、
山内図書館まで足を運んでいただきお疲れ様でした。
そしてありがとうございました。
★紹介されている本たち
・「はらぺこあおむし」3-0190539714
・「ずーっとずっとだいすきだよ」3-0190290383
・「君の膵臓をたべたい」3-0500279723
・「少女手帖」3-0500523150
・「黒猫の薔薇あるいは時間旅行」3-0212090328
・「鏡の国のアリス」3-0210012777
・「カモメになったペンギン」3-0207078601
※数字は書誌番号です。
2018年2月17日
スタッフおすすめの本紹介

『墓守りのレオ』 著者:石川宏千花
出版社:小学館
[ スタッフ書評 ]
皆さんは新聞などで事件を知った時、
加害者のコメントを聞くとおおむね自己中心的な言い訳ばかりで、
共感する事はあまりないでしょう。
でも、被害者のコメントは時には痛みが伝わり、
時には自分の悲しみの様に心の中に響いてくる事も少なくないと思います。
私はこの本を読んで、この被害者の言葉が心に重く残りました。
ではこの被害者は、何と言っていたのでしょう・・・。
それは「私がそうしたいから」と言ったのです。
加害者ではなく、被害者がそう言ったのです。
2018年2月9日
元石川高校ボランティア委員会による3学期の展示が始まりました。
[ スタッフから ]
今回も絵本や小説など多岐に渡ってオススメの本が紹介されています。
ところどころ、クイズ形式になっていますが、正解は本を読まないとわかりません。
「う~ん、正解は何だろう・・」
モヤモヤする方は是非読んでみましょう。
そして「小説ランキング」は
1位「マスカレード・ナイト」、
2位「蜜蜂と遠雷」、
3位「コンビニ人間」。
この3冊は、図書館でもとってもとっても人気のある本。
気長に待てるようなら予約してくださいね。
★紹介されている本たち
「ぐりとぐら」3-0190445777
「ミッケ!」3-0190428095
「マスカレード・ナイト」3-0500521687
「蜜蜂と遠雷」3-0500419414
「コンビニ人間」3-0500402016
「ケーキ王子の名推理」3-0500317766
「神器」上巻3-0209004248 下巻3-0209004249
「ソードアートオンライン1」3-0209025626
「刑事の子」3-0211065163
「R.P.G」3-0201050955
「1Q84」BOOK1 3-0209040246
※タイトル後ろの数字は書誌番号です。
2018年1月30日
スタッフおすすめの本紹介

『人生を変えてくれたペンギン』 トム・ミッチェル/著 矢沢聖子/訳訳
出版社:ハーパーコリンズ・ジャパン 2017
[ スタッフ書評 ]
以前、動物園で嬉々として闊歩するペンギンのお散歩に目を見張った
思い出があります。
でも、この本に出会ってはじめて、一羽のペンギンの存在に深い幸福感を
味わいました。
実話というのが驚きです。
『人生を変えてくれたペンギン-海辺で君を見つけた日』
トム・ミッチェル/著 矢沢聖子/訳 ハーパーコリンズ・ジャパン 2017
著者は、20代(1970年代)の時、未知なる国(テラ・インコグニータ)での
生活にあこがれ、政情不安に揺れるアルゼンチンの全寮制の男子校の舎監兼教員の職を
得ます。動物好きの彼は、あるとき重油とタールで窒息死した数百羽のペンギンたちの
群れ出くわし、そこで一羽のペンギンを救い出し、学校の寮で世話をすることに
なるのです。彼は、ペンギンをフアン・サルバドール(救い主ヨハネ)と名付けます。
(彼がスペイン語で読んでいた『カモメのジョナサン』に因んで)。
フアン・サルバドールは、人間といっしょにいてものびのびと自然体で
いられるようで、たちまち学校中の人気者になります。
「…たとえてみれば、彼(フアン・サルバド)のふるまいは上流階級の
パーティーの完璧な主催者に似ていたかもしれない。
ドン・フアン・サルバドール・デ・ピングィーノ閣下は、ウイットに富む
洗練された人物で白いタイに燕尾服といった非の打ちどころのないいでたちで、
高貴な祖先から受け継いだ品格に加えて、広い知識と豊かな経験を兼ね備え、
堂々と招待客の間を歩く。彼が近づくと、誰もがいっせいに話をやめて彼に注目する。
そして、エチケット違反でなければ、このまま足を止めてあなたとだけ話したかったと
暗黙のうちに彼から言われたような気持ちになるのだった。そんなふうだったから、
実際には人間が彼に魚を与えているのに、まるでファン・サルバドから
何か与えられているような気になった。…」(本文から)
フアン・サルバドールと出会ってからの著者が思いもしなかった豊かな時間や
アルゼンチンの荒野で牛を追うガウチョたちと過ごす時間などには、本当に
ワクワクします。結末は、切ないのですが。
著者は、現在「コーンウォールの素晴らしい土地」を耕しながら、
地元の聖歌隊で歌い、野生動物を描くのが趣味とのこと。
子ども時代は『ジャングルブック』や『少年キム』を愛読して育ったとのこと。
そんな著者の世界観も興味深く読める一冊です。
2018年1月9日
2018年が始まりました。
[ スタッフから ]
新しい年の始まりと共に、ティーンズコーナーの
おすすめ本のポップが新しくなりました。
昨年11月に職業体験に来た中学2年生4人の
おすすめ本です。ポップを作りながら好きな本の
話も沢山してくれました。
今年最初の読書に「司馬遼太郎」なんていかがですか。
2017年12月26日
ティーンズ展示コーナー
[ スタッフから ]
もうすぐ冬休み、というある日の夕方、
元石川高校の3人が展示コーナーの
入替えに来ました。
今回は天上からの飾りやポップなどを、
部分的に手を入れてくれました。
元石川高校文芸同好会発行の
同人誌(10月号、12月号)も展示コーナー
で読むことができますよ。
高校生が描く物語ってどんな感じなんだろう?
中高生の利用が増えることを願って、
いろいろ工夫をしてくれた
みなさんありがとう。
2017年12月12日
スタッフおすすめの本紹介

『子供時代』 リュドミラ・ウリツカヤ 沼野恭子訳
出版社:新潮社
[ スタッフ書評 ]
リュドミラ・ウリツカヤという名前は、翻訳小説の好きな人でも、
耳慣れないかもしれませんね。
でも、ロシアでは有名な人気作家で、本国はもとよりドイツ、フランス、
イタリアで文学賞を受賞しています。
彼女の作品は、人の心の機微を描いた珠玉の中・短編が多いのですが、
ティーンズの皆さんにおすすめするのは『子供時代』。
理不尽なことが容赦なくふりかかってきても、大人の暴挙のしわ寄せが
来ても、子どもたちは無防備に無抵抗に受け止めるしかありません。
それが「子ども」という存在です。
旧ソ連を覚えている大人は、作者の育った環境とか時代背景をつい考えが
ちですが、若い読者は、作品のなかの子どもと同じように、無防備に無抵
抗に屈託なく、ウリツカヤの描く世界を楽しんでください。
子どもたちは、弁解も悲嘆もせず全身で運命を受け止めて、小さな一歩を
踏み出します。なにげなく、なんでもないことのように。
この『子供時代』には、作者と同世代の画家の挿絵がついています。
これがまた、独特の色遣いの絵で、明るいのか暗いのか、懐かしいのか怖
いのか、不思議な雰囲気を醸し出しています。
「大人の絵本」と謳っているけれど、大人でも子どもでもない、ティーン
ズの皆さんにとってこの1冊が、ロシア文学へのゲートウエイになりますように。
ほかに、代表作『ソーネチカ』、『それぞれの少女時代』など、美しい挿
絵つきの読みやすい作品があります。
2017年12月3日
おすすめ本、入れ替えしました。
[ スタッフから ]
10月、11月に職業体験に来てくれた中学生の
ポップを展示しています。
2校分なのでにぎやかな展示となりました。
それにしても、住野よるさん、
中高生に人気あるなあ~。
2017年11月16日
スタッフおすすめの本紹介

『鳥(からす)に単(ひとえ)は似合わない』 阿部智里
出版社:文藝春秋
[ スタッフ書評 ]
「八咫烏(やたがらす)」の一族が支配する世界「山内(やまうち)」で、
世継ぎである若宮の后選びが始まります。四大貴族から選りすぐりの姫が
集まり、恋のさやあて? 源氏物語の異世界バージョン? と思いきや、
なにやらきな臭い事件が……果ては殺人事件まで起きてしまいます。犯人
もあっと驚く人物だし、ほかにも作者がしかけた大きなわなが、あなたを
待っていますよ。
人の形にも烏の形にもにもなることができ、鳥になれば飛ぶこともできる
八咫烏。 本作は、八咫烏を主人公とした異世界ファンタジー「八咫烏シ
リーズ」の1巻目。シリーズは6巻で完結。第6巻がすでに出版されてい
るので、シリーズ一挙読みがおすすめです。というか、読み始めたら止ま
りません!
出版社文藝春秋の特設ページもあります。
まず、「山内」っていう世界がピピっときますよね。なにせ「山内図書館」
と同じ名前ですから!?
2017年11月10日
ティーンズ展示コーナーがステキ!
[ スタッフから ] 元石川高校2年生の女子4人が来館し、
ティーンズ展示コーナーの入替えをしてくれました。
作業当日は4人でしたが、制作には6人で携わって
いたとのことです。
良く見るとコルクボード4枚にそれぞれテーマがあり、
興味深い内容になっています。
早速、足をとめて見入っている方がいましたよ。
女子高生パワーを感じる展示となっています。
山内図書館に来たときには、忘れずに見てね。
2017年11月1日
職業体験に来てくれました。
[ スタッフから ]
青葉区の中学2年生の4人が職業体験に来ました。
2日間、図書館の仕事を体験し、
オススメ本のPOPも書いてもらいました。
男子3人に女子1人でしたが、熱い思いが伝わってくる力作です。
2017年10月20日
スタッフおすすめの本紹介

『セルマの行進』リンダ十四歳投票権を求めた戦い 原作:リンダ・ブラックモン・ロワリー
エルズペス・リーコック
スーザン・バックリー
絵:PJローラン
訳:渋谷弘子
出版社:汐文社
[ スタッフ書評 ]
1960年代、アメリカ南部のアラバマ州。
人種差別が強く残るこの地域では、白人として生まれるか黒人として生まれるかで
大きな違いがありました。
黒人は何年にも渡って選挙に参加する事が出来る有権者登録を
拒否され続けていました。
当時、十三歳だったリンダは、投票する権利を勝ち取ろうと公民権運動に
参加していました。
そのため、十五歳になるまでに九回、刑務所に入りました。
刑務所での拷問、警官(白人)による暴力・恐怖に耐えながら投票権を勝ち取るため、
リンダは自身が住む「セルマ」から州都「モンゴメリ」までの行進に参加します。
そして様々な困難に立ち向かい遂に、投票する権利を勝ち得たのです。
権利を求めて戦う主人公の強さに驚き、自由とは何か権利とは何かを
考えさせられる1冊です。
2017年10月10日
「文豪ストレイドッグス」コラボ企画、次は…
[ スタッフから ]
ティーンズ展示コーナー、正面のパネルを入替えました。
今回は、宮沢賢治、与謝野晶子、中島敦、中原中也
が登場。
2017年10月25日17時迄の展示です。
あと、2週間。お見逃しなく!
2017年9月30日
ボランティア体験 ポップの展示
[ スタッフから ]
ボランティア体験 ポップの展示
お待たせしました!
夏休みにボランティア体験に来てくれた高校生の
ポップの展示が新しくなりました。
是非、読んでみてください~。
2017年9月20日
「文豪ストレイドッグスコラボ企画 文豪を知ろう!」
[ スタッフから ]
2017年9月20日から10月25日(最終日17時まで)、
ティーンズの展示コーナーで
「文豪ストレイドッグスコラボ企画 文豪を知ろう!」
が始まりました。
アニメで放映もされていたので、見たことがある人も多いと思いますが、
今回その原画(複写)を、間近で見ることができるチャンスです。
春河35さんの迫力あるイラストを是非見に来てください。
他の利用者が写らなければ、写真撮影、SNSへの掲載もOKです。
これを機会に文豪たちの作品に触れてみませんか?
貸出できる資料も展示して待ってます!
*「文豪ストレイドッグス」(朝霧カフカ(原作) 春河35(漫画))は、
「ヤングエース」(KADOKAWA)連載中のマンガです。
舞台は横浜で、「夏目漱石」「中島敦」などの文豪が「異能」を使って
戦うストーリーです。
2017年9月13日
スタッフおすすめの本紹介

『雪のひとひら』 著者:ポール・ギャリコ
出版社:新潮社
[ スタッフ書評 ]
『ジェニイ』『スノーグース』などで知られる
ニューヨーク生まれの作家、ポール・ギャリコ。
『七つの人形の恋物語』や『ポセイドン・アドベンチャー』は、
映画化されました。
今日は『雪のひとひら』を。
寒い冬の日、はるか空の上で生まれた雪のひとひら。
ゆっくりと時間をかけて地上へと舞い降りていきます。
そこからはじまる雪の一生。
川を流れていくうちに愛する人にめぐり逢い、
やがて子供をさずかり豊かな時間を過ごします。
そして、切ない別れ。
たったひとり。人生の終わりへ。
その時、雪のひとひらは、遥か昔に、
空から舞いおりてきた時に感じとった気持ちを思い出します。
その時、どこからか声が.....。
雪の結晶を人の一生に託して描いた物語。
読み終わったあと、心が瑞々しい気持ちになります。
2017年9月3日
中学生がボランティア体験に来ました。
[ スタッフから ]
中学生がボランティア体験に来ました。
8月14日から16日にかけて
中学生が図書館でボランティア体験を
しました。
カウンターで返却本の処理をしたり、
書架整理をしたり。貴重な夏休みの一日を
がんばっていましたよ。
そして、今回もおすすめ本のポップを
作ってもらいました。
12枚のカラフルなポップ。
1回では展示しきれず、2回にわたって紹介する予定です。
お楽しみに。
2017年8月28日
スタッフおすすめの本紹介

『妖怪アパートの幽雅な日常 1』 著者:香月日輪
出版社:講談社
[ スタッフ書評 ]
十三歳で両親を失った主人公は進学を機に叔父の家を出て
学生寮付きの高校に入学予定。
ところがその寮が燃えてしまって・・。
途方に暮れた主人公が紹介されたのはおばけが出るという
いわくつきの妖怪アパートでした。
寮が出来るまでの半年の我慢だから。と住み始めたそのアパートで
主人公は色々な人、モノに触れ合い様々な経験をします。
家族って、友だちって、価値観ってなんだろう??
色々なことに悩み、考える多感な時期の皆に読んでほしいお話です。
薄~い本なので本が苦手な人もさらっと読めますよ!
2017年8月14日
ティーンズコーナーPOPの紹介
[ スタッフから ]
7月31日から3日間、高校生のインターンシップを行いました。
山内図書館では職業体験のひとつとして、
おすすめしたい本の紹介POPを制作してもらっています。
今回もすてきなPOPが完成し、ティーンズの本が並んでいる書架で紹介しています。
夏の思い出に心に残る一冊はいかがですか?
2017年8月14日
ティーンズ展示コーナー、入れ替えしてます。
[ スタッフから ]
ティーンズ展示コーナーのおすすめ本の紹介が新しく変わっています。
前回、ポップを作ってくれた4人による2回目の本の紹介です。
7月のある日、仕事人のように「ささっ」と来館して、
「ささっ」と入れ替えしてくれました。
「この本を読んでみて」という気持ちが伝わってくる力作で、
私も現在紹介された本を読んでます。
POPにある通り、期待を裏切らない内容!
気になる本があったら、是非読んでみてください。
2017年7月31日
スタッフおすすめの本紹介

『魔法の泉への道』 著者:リンダ・スー・パーク
訳:金 利光
出版社:あすなろ書房
[ スタッフ書評 ]
昨日と同じように今日が送れる。
当たり前のことに思っていますが、
実はそれは恵まれたことなのかもしれません。
この話は実話がもとになっています。
舞台はアフリカの国、スーダン。少女ナーヤと少年サルヴァの物語が交互に語られます。
いつものように学校に行ったサルヴァ。
1985年当時、内戦状態にあったとはいえ、サルヴァの暮らす村では平穏な日々が続いていました。ところが、授業がもうすぐ終わるというときに聞こえた一発の銃声。それによって、家に帰れなくなり、難民になってしまいます。それからは、何日も何日も砂漠を歩き、時にはワニのいる川を命からがら泳ぐ過酷な旅の日々。それが8年続きます。そして、ようやくケニアの難民キャンプにたどり着き、サルヴァの人生はまた大きく変わることになります。
一方、ナーヤの物語は2008年。
ナーヤの日課は池に水を汲みに行くこと。それだけで一日が終わってしまいます。しかも、その水は泥水。しかし、その水以外に、ナーヤたちが生きていくために手に入れられる水はなかったのです。
そして、2008年のある日、二人の人生が交錯することになります
生きること、そして平和について深く考えさせられる一冊です。
2017年7月22日
投票に行こう!
[ スタッフから ]
2017年7月30日は18歳選挙権になって初めての横浜市長選挙の投票日です。
当日、予定のある方は、7月29日まで青葉区役所(8:30~20:00)と
山内地区センター(9:30~20:00)で期日前投票ができますよ。
山内地区センターと山内図書館は同じ建物です。
期日前投票をするときは、図書館にも寄ってみてください。
市長選に因んで、ティーンズ展示コーナーでは
18歳からの選挙や政治を考える本の展示をしています。
2017年6月26日
スタッフおすすめの本紹介

『カラスの教科書』 著者:松原始
出版社:講談社
[ スタッフ書評 ]
「テキトーで気まま、馴染みの街に繰り出せば、どこにでも顔見知りがいる。腹が減ったらその辺でフライドポテトとマヨネーズ。気の合う仲間とつるんで、飯食って水浴びして遊んでおやつ食って、日が暮れたらどっかで寝る。」(本文より)
これは一体だれのことだと思いますか?
そう、カラスです。
毎日のように見かけるカラスが、実は研究しにくくて、わからない部分が多いというのが、意外でなんともおもしろいです。著者が観察中に実際に見た、カラスの笑える行動も紹介されていて、カラスが少し身近な存在になるかも知れません。
動物行動学者である著者の、カラスへの惜しみない愛情が溢れていて、カラスのさまざまな生態について詳しく、かつユーモラスに解説してくれている楽しい一冊です。可愛らしい挿絵にも注目。
この本を読み終わったら、きっとあなたもカラスに会いたくなるはず!
2017年6月20日
ティーンズ展示コーナーがリニューアル
[ スタッフから ]
ティーンズ展示コーナーがリニューアルしました。
元石川高校とのコラボ企画第2弾。高校生4人による「おすすめ本の紹介」です。
学校行事や部活など忙しい時間を上手に使って作ってくれました。
そして、ティーンズコーナーにも掲示がありますよ、お見逃しなく。
2017年5月29日
スタッフおすすめの本紹介

『2.43 清陰高校男子バレー部 1』 著者:壁井ユカコ
出版社:集英社

『2.43 清陰高校男子バレー部 2』 著者:壁井ユカコ
出版社:集英社
[ スタッフ書評 ] 2.43。それは、高校男子バレー全国大会のネットの高さ。
この本は、春高バレーを目指す福井の弱小バレー部を描く青春小説です。
突出した才能と誤解されやすい性格ゆえに、まわりを振り回す天才セッター灰島。
プレッシャーに弱いエース黒羽。
この幼なじみ2人を見守るくせ者揃いのチームメイトたち。
バカがつくほどバレーを愛する登場人物が魅力的なのはもちろん、バレーの試合描写が格好良くてワクワクします。
「今、この瞬間を全力で駆け抜けてく」青春真っ只中の10代のみんなにこそ、読んでほしい1冊です。
2017年4月26日
スタッフおすすめの本紹介

『本を守ろうとする猫の話』 著者:夏川草介
出版社:小学館
[ スタッフ書評 ] 古書店を営む祖父と二人暮らしをしていた高校生の林太郎。
祖父が亡くなり、伯母と暮すことになりました。
閉店の準備をしている林太郎のもとに、人間の言葉を話すトラネコがやってきて、
本を守るために力を貸して欲しいと言います。
本を愛する林太郎はトラネコと共に迷宮に向かうことに。
何故、世界中で何年も読み継がれてきた本があるのか、
時代を超えた古い書物にはどのような力があるのか。
全編にわたり、本に関するステキな言葉が散りばめられています。
この本をきっかけにじっくり名著をあじわってもらえればうれしいです。
2017年4月26日
元石川高校の生徒さんのおすすめの本紹介
神奈川県立元石川高校とのコラボ企画第1弾!!
元石川高校の生徒さんが、好きな本やぜひ読んでほしい本を紹介していきます。 是非ご覧ください。
図書委員さんおすすめの本
バスケ部員おすすめの本
図書委員さんおすすめの本2